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2023年3月以降開催総会から総会資料の電子提供開始

2021年12月17日に「会社法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」が公布され、「会社法の一部を改正する法律附則第一条ただし書に規定する規定の施行期日は、令和四年九月一日とする」(政令第334号)を定められました。

これにより、「電子提供制度」および「会社の視点の所在地における登記の廃止」に係る規定の施行日が2022年9月1日となりました。そして、電子提供制度については、施行日から6か月以内に開催する株主総会については「なお従前の例による」とされているため、2023年3月以降開催の株主総会(一般的に2022年12月決算会社の定時株主総会)から適用開始となりました。

2023年3月開催の株主総会から電子提供制度が開始になるという点については、以前からそのように言われていたので特にサプライズ感はありませんが、電子提供制度についてあたらめて確認しておくことにしました。

1.上場会社は義務。非上場会社は任意。

上場会社は、電子提供措置を採用しなければならならないとされていますが、会社法では「定款で定めることができる」(会社法325条の2)と規定されています。まず、上場会社では電子提供措置の採用が義務であるというのはどこから来ているのかを確認しておくと、「社債、株式等の振替に関する法律」(略して「振替法」とよばれることが多いようです)の159条の2第1項で以下のように定められています。

(電子提供措置に関する会社法の特例)
第百五十九条の二 振替株式を発行する会社は、電子提供措置(会社法第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をいう。)をとる旨を定款で定めなければならない。

「振替株式を発行する会社」はいわゆる上場会社のことなので、上場会社は電子提供措置を取らなければならないということになります。

2.上場会社における手続(定款変更)

上場会社では振替法で電子提供措置をとることが義務付けられるわけですが、会社法の定めに従い定款変更は別途必要ととされています。

現時点において、株主総会のウェブ開示によるみなし提供の対象が時限措置として拡大されていますが、2023年2月28日をもって効力を失うため、2023年3月以降の株主総会にむけて定款変更が必要となります。

一般的には2022年12月期決算会社から電子提供措置をとる必要が生じると考えられ、2023年3月開催の定時株主総会関連の資料から電子提供措置を開始するためには、それ以前に定款変更が必要となりますので、2021年12月期の定時株主総会で定款変更を決議しておく必要があるということになると考えられます。この辺の手続きについては、証券代行から案内があると思いますので、失念するということはないと思います。

実務的にあり得ないと思いますが、仮に、定款変更議案が否決されたらどうなるのだろうというのはやや気になります。

3.電子提供措置の内容

上場会社では電子提供措置を採用しなければならないことは前述のとおりですが、会社法上は、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、会社法299条2項各号に該当する場合には、電子提供措置をとらなければならないとされています(会社法325条の3第1項)。

具体的には以下の場合が該当します。
①株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとする場合(会社法299条2項1号、298条1項3号)
②株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができるとする場合(会社法299条2項1号、298条1項3号)
③株式会社が取締役会設置会社である場合(会社法299条2項2号)

電子提供措置の対象となる情報については、会社法325条の3第1項各号で定めされており、以下の事項が該当します。

①株主総会を招集する場合に定める必要がある事項で、招集通知に記載・記録しなければならない事項(会社法298条1項各号、299条4項)
②株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることを定めた場合(301条1項)に、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項
③株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることを定めた場合(会社法302条1項)に、株主総会参考書類に記載すべき事項
④株主が議案要領通知請求権を行使した場合における当該株主が提案しようとする議案の要領(会社法305条1項)
⑤株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項
⑥株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る)である場合において、取締役が定時株主総会の招集をするときは、取締役会の承認を受けた連結計算書類に記載され、又は記録された事項(会社法437条)
⑦上記①~⑥に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項

4.電子提供措置をとるべき期間

電子提供都市をとるべき期間については、株主総会の日の3週間前の日又は招集通知発送日のいずれか早い日かから株主総会の日後3か月を経過する日までの間、継続して電子提供措置をとる必要があるとされています(会社法325条の3第1項)。

上場会社では、招集通知の早期発送やWEBでの先行開示が多くなっていますので、紙ベースでの発送より1週間前倒しであれば、実務上はそれほど大きな影響はないと思われますが、会社によっては数日前倒しで作業を完了する必要が生じるかもしれません。

5.招集通知関連の発送物はなくなる?

電子提供措置といっても、発送物がなくなるわけではなく総会の日時・場所や電子提供のURL等を記載した招集通知を発送することになるという点は変更がないようです。従来と比較すると、冊子で同封していた部分(インターネット開示以外の部分)がなくなるという運用になるようです。

郵送物が完全になくなるのでなければ、議案だけは紙で郵送しようというような選択もあるのかもしれません。実際にどのような実務が形成されていくのかについては22年12月期の決算会社の動向を確認したいと思います。

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