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総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう

3月決算会社はまだ余裕がありますが、12月決算会社では2023年3月に開催される株主総会から適用となる株主総会資料の電子提供制度についての対応を固めていかなければならないタイミングに近づいているのではないかと思います。

株主総会資料の電子提供制度が開始となっても、郵送物がなくなるわけではなく、最低限アクセス通知は発送する必要があります。アクセス通知には、株主総会の日時及び場所、株主総会の目的事項など、狭義の招集通知に記載が求められる事項と重なっている事項もありますが、株主総会の電子提供を行っているウェブサイトのアドレスなども記載する必要があります。

会社法上は、最低限アクセス通知のみを発送すれば問題ありませんが、一方で、アクセス通知以外を発送するが禁止されているわけではありませんので、アクセス通知に加えて従来同様の資料を発送することを予定している会社もあるとのことです。

株主総会資料の電子提供制度に対する認知度は高くないように思いますので、上記のような対応も一案ではありますが、個人株主の議決権行使率はそれほど高くないことや資源の節約、さらに、そもそも電子提供制度が導入されたということを踏まえると、アクセス通知に加え、従来通りの資料を発送するという選択は個人的にはとりにくいと思います。

とはいえ、アクセス通知だけにするのかについては、他社の動向を踏まえて判断したいところです。電子提供制度に関連して宝印刷が実施したアンケート(回答数1123社)によれば過半数はアクセス通知+議案等を発送することを考えているとのことでした。従来通りフルセットでの発送を考えているという回答も26%程度存在し、アクセス通知のみという回答を上回っていたようです。

フルセットでの発送を考えているという会社は、株主数が5000名以下の会社での割合が高くなっています。よって発送コストの面から株主数が多くなるほどフルセットでの発送を選択しにくいということなのだと思いますが、フルセットで送付すれば電子提供措置が不要になるという例外があっただろうかと念のため確認してみました。

この点、会社法325条の3第1項で一定の会社は、株主総会参考書類等の内容である情報等について、電子提供措置をとらなければならいこととされているため、株主参考書類等を書面により提供することで株主総会を招集することはできないとのことでした(「一問一答 令和元年改正会社法 竹林俊憲 編著 商事法務 Q12」参照)。したがって、フルセットで送付しても、電子提供制度は電子提供制度として変わらず対応が必要ということになります。

ところで、電子提供措置の開始にあたり、資料のアップロード先は自社ウェブサイトとする会社がほとんどだと思いますが、自社サイトが何らかの事情によって閲覧不能となった場合に備えて、アクセス通知にはメインサイトを補完するサイトを記載することが多くなるようです。従来から株主総会招集通知は東証に提出しており、東証のサイトにも掲載されるため、東証のサイトのURLを記載するケースが多くなると思われます。

これを想定して東証からは8月に「株主総会資料の電子提供措置における東証ウェブサイト利用時の留意点」が公表されています。この資料では、「電子提供措置をとるにあたり、縦覧書類として株主総会資料を掲載している本サイトを電子提供措置をとる媒体の一つとsちえ利用することも考えられます」としつつ、「投資者の利便性向上のために提供している本サイトを上場会社各自のウェブサイト等のバックアップとして補助的に利用頂くことを前提とするものであるため」一定の制約がある旨が記載されています。

また、東証は上記のとおり、東証のサイトを会社が電子提供措置の主サイトとして利用することは想定しておらず、株主総会資料がサイトに掲載されるタイミングは上場会社指定する公表時の午前1時頃となる旨が明らかにされています。電子提供措置は、遅くとも総会開催日の3週間前までに行う必要があるとさていますが、この3週間前というのは午前0時を起点とすると解されているそうで、仮に東証のサイトのみを利用しようとする場合には、3週間前という要件を満たす日がいつなのかに注意する必要がありそうです。

電子提供措置に中断が生じた場合であっても、電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に中断が生じた時間の合計が当該期間の1/10を超えない場合は、電子提供措置の中断は、当該電子提供措置に効力に影響を及ぼさないこととされています(会社法325条の6第3号)が、自社ウェブサイトを主、東証のサイトを補完サイトと考えて運用する場合、自社サイトで中断が生じ、東証サイトでは中断が生じていない場合、中断は生じていないということになるのかについても確認してみました。

仮に中断が生じた場合には、中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとることが必要とされています(会社法325条の6第4号)。

これに関連して、「一問一答 令和元年改正会社法 竹林俊憲 編著 商事法務」のQ30に「電子提供措置の中断が生じた場合に、それまで電子提供措置をとっていたウェブサイトとは異なるウェブサイトに電子提供措置事項に係る情報を掲載して電子提供措置をとることができるか」が取り上げられていました。

これに対する回答として、あらかじめアクセス通知に当該サイトのURLを記載しておく等の対応が必要となるものの、「各株式会社が、電子提供措置の中断が生じないように、複数のウェブサイトに電子提供措置事項に係る情報を掲載したり、電子提供措置の中断が生じた場合に他のウェブサイトに電子提供措置事項に係る情報を掲載するなどの対応をとることもできる」とされています。

「電子提供措置の中断が生じないように、複数のウェブサイトに電子提供措置事項に係る情報を掲載したり」という部分は、都合よく解釈すれば、準備したすべてのサイトが落ちていない限り中断は生じていないとも読めますし、保守的に解釈するのであれば、複数サイトのうち一つでも中断が生じていないサイトがあるのであれば、中断は生じていないということになると考えられます。

どちらが正しいのかは現時点で明確にはわかりませんが、個人的には、中断していないサイトが一つでもある場合に中断がなかったという状態を想定してはいないのではないかと考えています。とはいえ、二つないし三つのサイトをアクセス通知に記載している場合に、どこかのサイトで中断が生じたことを把握した場合には、それが中断でないという解釈であっても無駄なトラブルを避けるため情報を開示していくことになるのでないか考えています。

12月決算会社での運用が2月下旬ないし3月上旬から開始されると思いますので、実務上の動向を確認していきたいと思います。

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