東芝、定時株主総会もついに幕張メッセで開催予定に
2017年5月31日付で株式会社東芝は「定時株主総会開催等に関するお知らせ」という適時開示を行いました。
第3四半期報告書レビュー報告書がないまま、四半期報告書を提出して話題になりましたが、状況は進展していないようで、招集通知の発送準備期間などを考慮すると「株主様に対して第178期の事業報告、連結計算書類、計算書類及び監査報告書を招集通知に添付してご提供できず、第178期定時株主総会(以下、本定時株主総会)においてこれらをご報告等することができません」とされています。
連結計算書類等については、「後日開催予定の臨時株主総会においてご報告等させていただきたく存じます」と述べられています。監査報告書を入手して臨時株主総会を開催できる日がやってくるだろうかという不安はありますが、とりあえず今回は取締役9名の選任と吸収分割契約承認を目的事項として定時株主総会を開催するとのことです。
ところで、今回の定時株主総会は開催場所が幕張メッセ国際展示場9ホールとなっています。いつも国技館じゃなかったかなとEDINETで平成25年3月期以降の株主総会の招集通知を確認してみるといずれの年度(粉飾決算が発覚した年度も含め)も国技館で開催されていました。開催日程も平成25年3月期~平成27年3月期は6月25日、平成28年3月期は6月22日開催となっていました。
一方で粉飾決算発覚後に開催された2度の臨時株主総会、平成27年9月および平成29年3月は幕張メッセでの開催となっています。
今回の問題は第3四半期報告書の提出前に発覚したものであり、東芝クラスの3月決算会社であれば、翌年の定時株主総会の開催場所は早々に確保していると思われますので、今年も当初は国技館を総会用に抑えていたのではないかと推測されますが、今回はついに定時株主総会も幕張メッセでの開催となりました。
上記の通り、過年度の定時株主総会の開催日程からすると元々6月28日に定時株主総会の開催が予定されていたとは考えられず、監査法人との折り合いがつき監査報告書を入手できる可能性を考慮し、当初の予定を遅らせたものと思われます。29日は2016年3月期の集中日であったため(結果的に2017年も同様)、わざと参加しにくい日を設定したという批判を回避するため28日を選択したのではないかと推測されます。30日という選択はなかったのかですが、6月30日に定時株主総会を開催するケースは実務上ほとんどありません。
日本取引所の公表しているデータで確認すると6月30日に定時株主総会の開催を予定しているのは2017年3月期は3社(東証1部2社、ジャスダック1社)のみとなっています。明確な理由はわかりませんが、30日開催だと延期が必要な場合に、3ヶ月以内という期限を守れないことが確定してしまうため、あるいは、配当の効力発生日が7月1日以降になってしまうと面倒だからということなのかもしれません(法人株主が配当金を未収計上しなければならないとすると面倒だと文句も言われそうな気はします)。
ちなみに、2017年3月期に6月30日に定時株主総会の開催を予定している3社のうち2社は無配、1社は取締役会決議により6月中に配当実施済みの会社となっています。
国技館のイベントスケジュールを確認すると6月15日~6月20日および6月25日は「企業イベント」で貸出予定となっていますが、6月21日~23日までは開いているようです。当初はこの当たりに東芝の株主総会の予定が入っていたのかもしれません。
相当数の株主が来場することが予想されるため、使用可能な会場が限られる(特に3月決算の総会で主要な会場は他社が使用していることが予想される)ということは理解できますが、幕張はどうなのよという株主も多いのではないでしょうか。