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出る杭はもっと出ろ!

直近3ヶ月の譲渡制限付株式報酬制度導入企業は89社と拡大中!

最近、適時開示で「譲渡制限付株式報酬制度」の導入に関するものを多く見かける気はしていましたが、税務通信3460号の税務の動向で、同誌が調査したインセンティブプランについての調査結果が掲載されていました。

この調査結果によると、4月から6月の間に、譲渡制限付株式報酬制度の導入を決議した(6月総会での決議予定を含む)企業は89社であったとのことです。なお、同誌が昨年の秋頃調査した際は導入企業が10社程度であったとのことですので、大幅増となっています。

導入企業の制度設計としては、「一定期間の勤続勤務を譲渡制限解除の条件として設計する企業が多い点が特徴」とされており、この要因としては”いわゆる「業績連動型の譲渡制限付株式」が事前確定届出給与の対象から除外された影響”が言及されていました。

4月~6月の導入企業のリストを確認すると、譲渡制限付株式報酬制度を導入数のは、圧倒的に東証1部の企業が多く、ジャスダックは8社、マザーズは6社となっています。各社の開示内容から条件が明らかではないものも多くなっていますが、ジャスダックで条件が把握できている3社はいずれも継続勤務条件であるのに対して、マザーズで条件が把握できている3社のうち2社は業績目標条件、1社が継続勤務条件となっているあたりは、各市場の特徴が表れているように感じられます。

また、平成29年度税制改正により「業績連動型の譲渡制限付株式」が事前確定届出給与の対象から除外されたことの影響により、当初業績目標条件で株主総会に付議することを想定していた企業が、その後継続勤務条件のみに条件を変更した上で総会に付議することに変更した事例も紹介されていました。

法定実効税率の引き下げが図られてきているとはいえ、それなりの金額となることが想定される役員報酬の税務上の取扱は無視できない判断のポイントとなるというのは当然だと考えられます。

譲渡制限付株式報酬制度以外ではパフォーマンス・シェア(またはパフォーマンス・シェア・ユニット)を導入する企業が11社あったとのことです。市場別にみるとやはり東証1部の会社が10社と圧倒的に多く、残り1社はジャスダックの企業となっています。

また、ファントムストックを導入した企業は1社で、導入したのは無印良品を展開している(株)良品計画とのことでした。ファントムストックは、現株を保有しているのと同様のインセンティブを金銭で与えることを目的とするものと言われています。外国人の取締役に株式でインセンティブを与える場合、口座の開設等がなんだかんだと大変なこともあり、そのような場合で使用されることが多いそうですが、良品計画のHPで確認してみるとファントムストックの概要として以下のように記載されています。

当社の役員報酬制度の一つである役員ストックオプションと同様の効果をもたらす役員報酬制度で外国籍である役員及び執行役員に対して付与するもの。

ファントムストックは、このような場合に使用することが多いという理解は間違っていないようです。

今回は様子見という企業も相当数存在することが想定されることとコーポレートガバナンスコード対応の観点からもインセンティブプランをどう使うかは検討課題となることから今後更に譲渡制限付株式報酬制度等のインセンティブプランの導入企業数は拡大していくものと思われます。

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