閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い

M&Aに関連して実施されるDD費用の取り扱いについてです。

DD費用を有価証券の取得に係る付随費用として取得原価に含める必要があるのかという点が問題となり、この点については、株式取得の意思決定のタイミングがポイントとなるというような説明を聞いたことがあるかもしれません。

国税不服審判所の裁決事例(平成22年2月8日付国税不服審判所福岡支部裁決)では、「他社を買収するに当たって支出した取得関連費用につき、どの有価証券を購入するか特定されていない時点において、いずれの有価証券を購入すべきであるか決定するために行う調査等に係る支出は、この有価証券の購入のために要した費用には当たらないものの、特定の有価証券を購入する意図の下で有価証券の購入に関連して支出される費用は、有価証券の購入のために要した費用として当該有価証券の取得価額に当たるものと解されるところ、取締役会でその株式を取得することを決議した後で依頼した財務調査費についてはその株式の取得価額に含めるべき」(「有価証券の取得に係る取得関連費用の会計および税務処理について」税務通信3733号太田達也氏)とされています。

実務上、DD費用を損金算入したいという思惑が働くと、上記の「取締役会でその株式を取得することを決議した後で」という部分に着目し、株式を取得する意思決定をしないようすればよいのではないかという発想もでてきます。

ロングリストの中から絞り込みを行ううえで、外部の専門家を利用して調査を行うこともあり、ここで要する費用は上記でいうところの「いずれの有価証券を購入すべきであるか決定するために行う調査等に係る支出」にあたると考えられます。しかしながら、一般的にDDといえば、対象会社を取得する前提で実施されるものを指していることが多いと考えられます。DDの結果、買手が許容できない事象が発見されたり、価格の調整交渉がまとまらなかったりして取得に至らないことはありますが、買手も売手も基本的には交渉をまとめようとして費用をかけてDDを実施し、受け入れているということが普通だと考えられます。

上記の税務通信の記事では「取締役会で株式を取得する旨の決議をした後に発生する取得関連費用は、有価証券の取得のための付随費用に該当すると考えられますが、取締役会の決議という事実関係がなくても、買収先が実質的に絞り込まれており、買収するかどうか、あるいは買収価額をいくらにするのかという判断のために行われた調査費用についても、付随費用であると判断されることが考えられます」とされており、DDが実施される一般的な状況を踏まえると、基本的にはDD費用は付随費用として有価証券の取得原価に算入する必要があるという認識をもっておくのが無難だと考えられます。

関連記事

  1. ゴルフ会員権の処理(その2)ー株主会員制ゴルフ会員権評価損の法人…

  2. クロス取引の取扱い

  3. 企業結合に関する会計基準の改正と税務上の有価証券の取得原価

  4. 100%子会社の清算損の法人税法上の取扱い

  5. 外国上場株式の減損の損金算入要件

  6. 株式評価損の過年度否認額を判断基準変更時に損金算入できる可能性




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,946,819 アクセス
ページ上部へ戻る