”道具としての経営理論”
書店で見かけて「道具としての経営理論」(津崎盛久著)を読んでみました。
何に魅かれたのかというと、本の後ろに書かれている以下の著者紹介です。
「株式会社ビジョン代表取締役。1959年福岡県福岡市生まれ。一橋大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。英国立レスター大学MBA取得。約20年間の商社マン時代には、とくにインドネシアではマーケティング・販売統括担当として国際自動車ビジネスに携わり、トップシェアを獲得する。その後、大前研一氏が主宰するビジネス・ブレークスルーの執行役員(豪Bond大学MBA統括担当)として、同MBAを日本最大級のプログラムに育て上げる。(以下省略)。
個人的にBondのMBAプログラムに興味があったので、何となく読んでみようかなと思った次第です。
ちなみに上記ででてくる英国立レスター大学のMBAについては、同書の「はじめに」で筆者は30代半ばを過ぎてから勉強を始め、5年をかけて取得したと記載されていました。年齢的なものは気にせず、自分もトライしてみようかと勇気が湧いてきます。
少し話がそれましたが、同書の内容を一言でいえば、経営理論を机上の空論として軽視する人がいるが、 経営理論もきちんと使えばすごく有用なものであるということを認識してもらいたいということだと思います。
筆者は、経営理論を使いこなせないために、机上の空論でやり過ごされている理由として以下の11個の理由を挙げています。
1.経営理論を十分に理解していない
2.経営理論を学ぶ目的が明確でない
3.経営理論は「机上の空論」という誤った認識
4.理論と実践のバランスが偏っている
5.応用問題を解いた経験値が少ない
6.理論を実践に落とし込む能力が不足している
7.リスクをとって結果を出す勇気がない
8.適切な目標設定をしていない
9.「数字が読めない経営者」と「数字しか読まない経営者がいる」
10.「経営理論など勉強しなくても経営はできる」という論理の飛躍
11.理論と実践のサイクルを回していない
よって、経営理論を学びましょうということになるのですが、約280ページの中で、様々な理論が紹介されているので、個々の理論の内容については、それほど詳しく述べられているわけではありません。したがって、紹介されている理論について深く理解したいという場合には向いていない本だと思います。
一方で、ユニクロや楽天、アップルといった馴染みの深い企業の事例をあげて、解説されている箇所も多く、経営理論(あるいは経営学)のさわりをざっと読んでみたいという人にはお勧めの本と言えるのではないかと思います。
日々成長