不動産仲介契約に係る消費税と経過措置
国土交通省から「不動産仲介契約に係る消費税率に関する経過措置の適用の有無等について」というものが公表されていました。
個人的に多少かかわりのある業界なので、内容を簡単にまとめておきます。
不動産仲介契約に係る経過措置の有無
「その他の請負契約に類する契約」に該当し、指定日前に締結した契約は経過措置の対象となります。
指定日後の契約で仲介料の収受が施行日の後になる場合
契約時に仲介料の50%を領収し、残りの50%は所有権移転登記時に受領するという契約の場合において、所有権移転登記日が施行日後になった場合に適用される消費税率については経理処理によってことなります。
(1)仲介料受領時に売上を計上している場合
この場合は施行日前に領収し売上計上した分は5%、施行日後に領収し売上計上した残りの50%分は8%が適用されます。
(2)契約時に収受すべき仲介料の全額を継続して売上計上している場合
この場合は、所有権移転登記後の請求する分についても5%で請求しているときは、5%が適用されます。
不動産仲介契約の更新と経過措置の有無
当初の契約期間に売買が成立しなかった場合には一定期間契約を延長できることになっている場合、更新日が指定日前である場合を除き、消費税の経過措置の適用はありません。
仲介料率のみが定められている場合の経過措置の有無
仲介料が不動産売買契約額のXX%と定められているような場合、仲介契約が指定日前に締結されていたとしても経過措置の適用はありません。これは、「具体的な仲介料の額が確定するのが指定日以後である時は、その全額が対価の増加分となることから、経過措置の対象となる金額はないこと」になるためです。
ただし、仲介に係る契約書において、依頼者の希望売買金額が記載されているような場合には、その希望売買金額に料率を乗じて計算される金額の範囲内の仲介料については、経過措置の適用対象となるとされています。
日々成長