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平成27年3月期第1四半期報告書の変更点

今回は平成27年3月期第1四半期報告書の変更点などについてです。

1.退職給付会計基準等の改正に伴う変更点

(1)財務諸表本表における変更
連結財務諸表における未認識項目の取り扱いについては、3月決算会社の場合、前年度末から適用開始となっていますが、前年度期首から早期適用している会社は30社程度しかないため、ほとんどの連結財務諸表作成会社は、四半期としては今回から新たに処理が行われるということになります。

四半期連結財務諸表としてみた場合、四半期連結貸借対照表に「退職給付に係る負債」、「退職給付に係る調整累計額」が区分表示されることとなり、四半期連結包括利益計算書には「退職給付に係る調整額」が区分表示されることとなります。

前期末と比べて目新しい部分はないと思いますが、強いてあげるとすれば、四半期連結包括利益計算書において、比較情報として表示される前第1四半期連結累計期間の「退職給付に係る調整額」が前期の比較情報がないため「-」になるという点くらいではないかと思います。

念のため、平成26年3月期期首より早期適用している開示例(味の素)を掲げておくと以下のようになっています。

四半期連結貸借対照表
ajibs
(出典:味の素 平成26年3月期第1四半期四半期報告書)

上記の早期適用会社の開示例では前連結会計年度の「退職給付に係る負債」が「-」となっていますが、原則適用会社の場合は、前連結会計年度の金額がありますので、金額が入力されることになります。

四半期連結包括利益計算書
ajioci
(出典:同上)

上記の開示例は、ほとんどの連結財務諸表作成会社が今回の1Qで開示することになる形式を表しているといえます。

(2)会計方針の変更の記載

未認識項目の処理については前期末から適用となっていますが、退職給付債務及び勤務費用の計算方法の見直しについては今期首からが原則適用となっています。

少し前に「期間定額基準を採用する会社は思った以上に少数派?-改正退職給付基準」で記載したように、多くの会社は期間定額基準等から給付算定式基準に変更することが予想されますので、その場合には「会計方針の変更」として記載が必要となります。

加えて、割引率の決定方法についても変更されていることが多いと推測されますが、割引率の決定方法についても変更している場合は「会計方針の変更」に記載する必要があります。

記載例についてはプロネクサスや宝印刷の記載例を参考にすればよいですが、早期適用会社が割引率等についてどのような開示を行っていたのかを確認しておくと以下のようになっています。

①味の素(割引率の具体的な変更内容記載あり)
また、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直し、割引率の決定方法を残存勤務期間に基づく割引率から単一の加重平均割引率へ変更し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更しました。

②ヤマハ(割引率の具体的な変更内容記載なし)
また、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更、及び割引率の変更等をいたしました。

③デンソー(そもそも割引率変更記載なし)
また、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更しました。

割引率の決定方法の変更を会計方針の変更に記載するのであれば①味の素のような記載になることが多いのではないかと思いますが、②ヤマハのように具体的内容を記載しないという方法も参考になります。

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