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法人住民税の無償増減資の加減算措置を再確認

平成27年度税制改正によって見直しが図られた法人住民税の資本金等の額ですが、適用開始が平成27年4月1日以後開始事業年度であることから税務通信3398号で平成28年3月期決算前にあらためてQ&A形式の解説が掲載されていました。

備忘をかねてポインとを簡単にまとめると以下のようになっています。

1.今回の改正のポイント

「法人住民税の資本金等の額」が「法人税法上の資本金等の額」とは別個に定義されたことにより、「法人住民税の資本金等の額」に変化がなくとも、住民税均等割や法人税割に適用される適用税率に変化が生じる可能性があります。

誤解を恐れずにいうと、無償減資によって均等割の金額を小さくすることができる可能性があるようになったということです。

また、法人税法上の資本金等の額に変更はないという点もポイントです。

2.法人住民税の資本金等の額の計算方法

法人住民税の資本金等の額は以下のように計算されることとなっています。

法人住民税の資本金等の額=法人税法上の資本金等の額+平成22年4月1日以後の無償増資相当額-平成13年4月1日以後の無償減資に係る欠損填補額(*1)

なお、上記で計算される「法人住民税の資本金等の額」の最低限度は資本金と資本準備金の合計額とされています。

(*1)厳密には、平成18年5月1日に施行された会社法の関係から、平成13年4月1日~平成18年4月30日、平成18年5月1日以後の無償減資に係る欠損填補額とされています。

3.無償増資相当額とは?

無償増資相当額は、「その他利益剰余金」又は「利益準備金」を資本金に振りかえた金額を意味します。

加算対象となるのは上記の通り利益の資本組み入れ部分のみであり、「その他資本剰余金」を資本金に組み入れても加算対象とはなりません。

4.無償減資に係る欠損填補額とは?

こちらはその他利益剰余金のマイナス部分に充てた資本金または資本準備金の額を意味します。

厳密には、平成18年5月1日以後に、資本金又は資本準備金を「その他資本剰余金」に振り替えた後、その振替えから1年以内に「その他資本剰余金」を前期末の「その他利益剰余金」のマイナス部分に充てた額とされています。

まわりくどい感じがしますが、会社法上は資本金等による欠損填補は資本金⇒その他資本剰余金⇒その他利益剰余金という流れで欠損填補に充てられる建て付けになっているので上記のような規定の仕方になっていますが、大まかな理解としては資本金又は資本準備金を取り崩して欠損填補に使った額と考えておけばよいと思います。

ただし、「その他利益剰余金」のマイナスに充てた額とされていますので、繰越利益剰余金がマイナスであっても、別途積立金等によって「その他利益剰余金」合計がプラスとなっている場合には減算の対象とならないという点には注意が必要です。

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