閉じる
閉じる
閉じる
  1. 14期連続でGC注記を記載している会社の注記推移を確認してみた
  2. 大企業経理マンでも見落としがちな消費税項目③ーリバースチャージ
  3. IFRS適用会社(予定含む)が225社に
  4. 労働基準法の管理監督者性はやはり厳しいと感じた判例ー日産自動車事件
  5. 国内外数社の代表を務める納税者を居住者であると判断した課税当局が全面敗…
  6. 敷金の額を上回るため簡便法から原則法へ変更した事例(資産除去債務)
  7. 「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」等が改訂されました…
  8. 電子帳簿保存法・スキャナ保存の承認申請書が一部簡素化
  9. 非上場会社において訴訟で総会決議取消となった理由(2例)
  10. 退職給付債務ー割引率がマイナスは28社(2019年3月期)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

「2012年第恐慌に沈む世界 甦る日本」を読んで

「2012年大恐慌に沈む世界 甦る日本」(三橋貴明著)というなんとも明るそうな本を読みました。

色々と書いてはありますが、著者がこの本でいいたいことを要約すると以下の二点に要約されそうです。
①デフレの状況下では、財政赤字を増やして政府が公共投資を行う必要がある。
②格付け機関は信用ならない

まず、①の点についてですが、これはリチャード・クー氏が「デフレとバランスシート不況の経済学」(2003年)あるいは「世界同時バランスシート不況」(2009年)などでも述べていたことで、目新しい内容ではないものの、理解はできます。
簡単に言えば、デフレ不況下では、民間は借金の返済あるいは貯蓄を優先するため、政府しかお金を使える経済主体がいないので、積極的に財政支出をおこなうべきだとするものです。

基本的な考え方は理解できますが、問題は何にお金を使うかです。

この点についての著者の主張は、高度成長期に日本で建造された道路や橋梁などのインフラが2010年代に更新時期を迎えようとしているので、そこに投資することで有効需要を創出することができるというものです。
もっとも、 東日本大震災が生じたので、まずやるべきことは東北復興と原発事故の終息、次いで重要施設の耐震化をあげていますが、特殊要因ですので、本筋としては上記のような公共投資を主張されているようです。

東日本大震災の復興に対する財政支出については特に異存はありませんが、本筋で主張されている道路や橋梁というのはどうなんだろうと感じます。もちろんメンテナンスを行わないことにより人命が危険にさらされるようなことがあってはならないと思いますが、道路のメンテナンスなどは必要であれば行われれているような気がするので、財政政策の一環として優先的にやるというよりは、他の日本の成長につながるような投資を考えたほうがよいのではないかと思います。

例えば、山手線の内側を徹底的に再開発して、一般人でも山手線の内側に住めるような街づくりを行えば相当の建設が行われることが期待されますし、1時間30分~2時間もかけて会社に通勤する必要がなくなれば、一般人にも相当の利益があると思います。
あるいは、羽田空港をもっと拡大してハブ化し、さらに都心までのアクセスの高速化を実現する鉄道などの敷設すれば、ビジネスでも旅行客でも日本に来やすくなるのではないかと思います。

また著者は財政政策の乗数効果についても書いていますが、著者がグローバリズム1992と呼ぶ経済の下での乗数効果については何ら検討されていないのが残念です。というのも直感的に、乗数効果も小さくなっているように思うからです。
例えば、 最近の建設現場では、外国人労働者の姿をよく目にします。彼らの中には、日本で永住しようとして働いている人もいるかもしれませんが、大半は出稼ぎに来ている労働者と聞きます。出稼ぎに来ている労働者は、本国へお金を送金することを目的とするので、節約し日本での消費は極力抑えようとするでしょう。
あるいは、 財政支出によって仕事を得る企業が日本の企業でない可能性もありますし、日本の企業であっても利益の一部は配当として海外の株主の下にわたるかもしれません。

このように考えると、乗数効果というもの自体が小さくなっているのではないかと思えるのです。そうはいっても乗数効果がマイナスになるわけではないので、財政支出をおこなえばGDPにプラスの影響があるというのはかわらないわけですが・・・

②の格付け機関は信用ならないというのは、確かに状況が悪くなってから格下げするようなケースが目立つので信用ならないと言うのもわからなくはありませんが、これは言っても仕方がないことのように感じます。

そもそも、信用ならないというのであれば、信用しなければいいだけの話で、一方で自分では判断できないので誰かに判断してもらいたいというニーズが存在する以上、格付け機関のような存在はなくならないものと考えられます。

著者は、国の格付けが一企業よりも低くなるなんておかしいと主張されていますが、個人的には国は国土に紐づくため基本的に移動はできないのに対して、企業はしたたかに世界を移動できるという点からすればそのようなことがあってもいいのではないかと思います。
サッカーでいえば、FIFAランク1位の国のナショナルチームが、クラブ世界一のチームより弱いはずがないというのに似ている気がします。必ずしもそんなことはないのではないでしょうか?

最後に著者は2012年は、各国で(台湾総統選挙、ロシア大統領選挙(すでに不正がどうこうで話題となっていますが)、アメリカ大統領選挙、韓国大統領選挙、フランス大統領選挙、中国での後継者選出など)選挙イヤーであるため混乱が生じる可能性があるとしていますが、この点は注目しておく必要があると思います。

日々成長


関連記事

  1. 日本株バブル?

  2. 国の借金が1000兆円を突破

  3. 上場会社の平均給与は4年連続増加-東京商工リサーチ調べ

  4. パナソニックといえども苦しいようですね-更なる下方修正はあるのか…

  5. 「大停滞」-タイラーコーエン著

  6. 2012年世界で一番売れた車種はフォードのFOCUS

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー



ブログ統計情報

  • 8,420,418 アクセス
ページ上部へ戻る