閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

誤謬による修正再表示の事例-2012年3月期 加賀電子

経営財務の3078号(2012年8月27日号)において、平成24年3月期の有価証券報告書において、誤謬による修正再表示を行った事例が1社あったという記事が掲載されていました。

誤謬による修正再表示を行った会社は、東証1部の加賀電子株式会社で、監査法人はあらた監査法人です。
早速、開示内容を確認してみます。

連結財務諸表の「(8)その他連結財務諸表作成のための重要な事項」において、以下のように開示されています。

【過年度財務諸表の訂正事項】
前連結会計年度に当社連結子会社の営業担当者による得意先に対する過年度からの会社未承認の値引きの申し入れ・放置ならびに、商品の不適切な処分・放置が識別されました。過去の連結財務諸表作成時においては、これらの識別された情報を使用しておらず、適切な会計処理がなされておりませんでした。したがって、前連結会計年度の連結財務諸表は、この誤謬を訂正するために修正再表示しております。
修正再表示の結果、修正再表示を行う前と比べて、前連結会計年度の連結貸借対照表において、受取手形及び売掛金が147百万円減少し、利益剰余金が86百万円減少しております。前連結会計年度の連結損益及び包括利益計算書において、売上高が140百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ同額減少し、少数株主損益調整前当期純利益及び当期純利益が86百万円減少しております。また、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、税金等調整前当期純利益が140百万円減少し、売上債権の増減額が147百万円増加しておりますが、営業活動によるキャッシュフローの金額に変更はありません。
前連結会計年度の1株当たり純資産及び1株当たり当期純利益はそれぞれ3円13銭減少しております。

修正前の金額と修正による影響割合は以下のようになっています。

売上高237,951百万円 修正の影響0.06%

営業利益3,563百万円 修正の影響3.9%

経常利益3,738百万円 修正の影響3.7%

税金等調整前利益3,363百万円 修正の影響4.2%

当期純利益1,854百万円 修正の影響4.6%

受取手形及び売掛金54,173百万円 修正の影響0.3%

利益剰余金25,038百万円 修正の影響0.3%

BS項目あるいは売上に対する影響は大したことはありませんが、営業利益以下の利益に与える影響が4%程度となっています。

なお、上記の加賀電子株式会社の内部統制報告書では上記に関連して「開示すべき重要な不備」が報告されています。内部統制報告書の評価結果に関する事項では以下のように開示されています。

下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当連結会計年度末日時点において当グループの財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
 

                      記

 

 当社連結子会社である加賀ハイテック株式会社(以下、「ハイテック」という)において、営業担当者による一部の得意先に対する不適切な取引及び会計処理が行なわれていた事実が発覚いたしました。不適切な取引及び会計処理の事実関係、影響額及び責任の所在を明らかにするとともに、類似事象の有無の確認について、平成24年4月5日に外部の有識者を加えた調査委員会を設置し、徹底した調査を行いました。当該調査により、会社未承認の値引の申し入れ・放置ならびに、商品の不適切な処分・放置が識別され、売上高の過大計上(売上値引の過少計上)と売掛金の過大計上が判明いたしました。なお、調査委員会による調査結果は、同年5月25日に当社ホームページにて公表されております。
 本件については、不適切な取引を実行した従業員が会社に損害を与えることを認識しながら、故意に不正行為を行ったものでありますが、ハイテックにおいて業務プロセスの内部統制は整備されており、売掛金残高管理及び売上値引のプロセスにおける運用が業務管理者に徹底されていないものと判断いたします。
 当該事業年度末日までに重要な不備が是正されなかった理由は、本件の疑義報告を平成24年2月29日にハイテックから受け、事実関係の概要を平成24年3月に認識し、外部の有識者を加えた調査委員会を設置したのが当事業年度末日後であり、是正措置を講じることができなかったためであります。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、重要な不備を是正するために調査委員会からの提言をふまえて以下の再発防止策を講じ、適切な財務報告の信頼性を確保する方針であります。

 

 1.ハイテックにおける内部統制の運用の徹底と再教育の実施

(1) 内部統制の運用の徹底
(2) 本件不適切な事案に関する共有と再教育の実施
 

2.内部統制のより一層の強化・実効性の向上

(1) ハイテックにおける定期的な人事異動・ジョブローテーションの実施
(2) ハイテックにおけるIT・情報システムのより一層の活用
(3) 加賀電子グループにおける内部通報制度の実効性の強化
(4) 加賀電子における子会社に対するモニタリング機能の強化
(5) 加賀電子における子会社に対する業務管理支援

日々成長

関連記事

  1. 当計上前に偶発債務注記を行っている事例は少数

  2. 四半期報告書と決算短信を一本化?

  3. 有価証券報告書作成の留意点(平成27年3月期)-その3

  4. 特別賞与支給の適時開示

  5. 公益財団法人への自己株の低額割当が散見される?

  6. 平成28年税制改正による税効果注記は法律名に要注意




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,926,355 アクセス
ページ上部へ戻る