閉じる
閉じる
閉じる
  1. 非財務情報開示強化に向けた動向
  2. 監査法人ハイビスカスに対する行政処分等を勧告
  3. 借入暗号資産の時価評価による評価損計上は可能?
  4. 賃上げ税制、宣言未達成でも適用の適否に影響なし
  5. 四半期報告書が廃止されても中間監査の復活はないようです
  6. 受取配当等益金不算入制度で多い誤りとは?
  7. メール送信する請求書ドラフトは電帳法対象外を応用すると…
  8. 四半期開示は結局どうなる?
  9. 取締役会議事録に記載しなければならない事項
  10. 意見不表明は極めて例外的な状況のみに許容される
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

役員退職慰労金が内規の額を下回った場合、差額を請求することはできるか?

今回は、役員退職慰労金の内規が存在する場合に、株主総会で当該内規による算出額よりも低い金額の役員退職慰労金議案が決議された場合、退任した取締役は差額を請求できるのか?についてです。

結論からすれば、このような場合であっても退任取締役は内規との差額を請求することはできません。理由をごく簡単に述べるならば、内規は内規にすぎず、退職慰労金の請求権は総会決議を前提に発生するためです。

1.役員退職慰労金請求権の発生要件

この点について、判例では「株式会社の取締役については,定款又は株主総会の決議によって報酬の金額が定められなければ,具体的な報酬請求権は発生せず、取締役が会社に対して報酬を請求することはできないというべきである。けだし、商法269条は、取締役の報酬額について,取締役ないし取締役会によるいわゆるお手盛りの弊害を防止するために,これを定款又は株主総会の決議で定めることとし、株主の自主的な判断にゆだねているからである。」(最判平15.2.21)とされており、総会決議がなければ報酬の請求権自体が発生しないということになります。

なお、取締役の報酬に関連する過去の判例は、旧商法時代のものも多いですが、旧商法と会社法で取締役に対する報酬について実質的な変更は行われていません。そして、役員退職慰労金は取締役の在職中の職務執行の対価として会社から受ける財産上の利益に該当するため、その支給は 会社法361条の承認の対象となると一般的に解されています。なお、会社法361条の承認というのが、取締役の報酬等についての株主総会における承認を意味しています。

2.内規の意義は?

それでは、役員退職慰労金の内規は一体どのような意味を持っているのかが問題となります。

結局のところ、内規の機能は、株主総会の一任決議を受けて、取締役会(または監査役)が慰労金額を決定する際にそれに従うべき基準として総会決議により示され,取締役会(または監査役)を拘束するものにすぎないという位置付けになります。

つまり、金額を明示して総会の承認を得たとすれば、内規に基づいた金額は全く意味のない金額ということです。会社の規模が大きくなると、役員退職慰労金の金額を取締役会や代表取締役に一任することはほとんどないものと考えられますので、内規は株主総会に提出する議案の金額を決定する際の拠り所というのがよいのかもしれません。

日々成長

関連記事

  1. 「会社法制(企業統治関係)の見直しに関する中間試案」を確認(その…

  2. 責任限定契約の対象拡大-改正会社法(その9)

  3. 会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案が決定(その2)…

  4. 監査役協会-監査役会への監査役選解任件の付与等を提言

  5. 過年度遡及修正と各法制度との関係(その3)

  6. 発行可能株式総数と設立時発行株式数




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 11,989,372 アクセス
ページ上部へ戻る