国の借金が1000兆円を突破
財務省が今月9日に、6月末の国の借金の残高が1000兆円を突破したと発表しました。
元々1,000兆円に近い水準にあったので、1,000兆円を超えても「そうですか」という程度ではあります。実際、長期金利の水準の0.8%を下回る水準をキープしており、このニュースが市場に与えるインパクトはほとんどないようです。
ところで、このニュースの報道のされ方として、「国民1人あたり約792万円の借金」というような説明がなされていることが多かったように思います。
これは、これで事実ではありますが、イマイチ中途半端な気はします。楽観的に考えれば、あくまで国の借金であるので、国民一人あたりに換算して何になるのか?です。自分が勤める会社の借金が、従業員一人当たり500万円あるとして、だからどうした?ということになります。
もちろん、会社が赤字で従業員一人あたり多額の借金があると、従業員にも大きく影響する可能性はあります。それは、倒産して職を失う可能性が高まるということです。
一企業と国を同様に扱うことはできませんが、収入(税収)と借金のバランスがとれていないと、どこかで行き詰ることは明らかです。こんなこと、言うまでもないので、単に「国民1人あたり約792万円の借金」という報道になっているのかもしれませんが、「だからどうした」あるいは「だからどうすべきか」というような報道がもっとあっても良いように感じます。
「国民1人あたり約792万円の借金」という紹介の仕方をするのであれば、「国民1人あたりの金融資産はXXX万円」も併せて紹介し、この金融資産への課税によって国の借金はカバーできますくらいのことを言えばよいのではないかと思います。
さらに言えば、今回発表の借金は国の借金分だけで、地方の借金は含まれていません。先日、自動車産業で有名なアメリカのデトロイトが破綻しましたが、その一因として人口が半減した事がいわれています。破綻によって、街灯の半分位がついていないとか、治安が悪化し放火が増加しているなどと伝えられていますが、もはや対岸の火事ではない地域が日本には多くあるのではないかと不安になります。
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