東京都外形標準課税税率の公布は7月になるようです
先週、”平成28年度の東京都外形標準適用法人の超過税率は2.14%になる見込み”というエントリで経営財務3217号で「超過税率は6月中に公布される見込み」と述べられていた件を取り上げましたが、本日付で兄弟誌である税務通信のメルマガで、6月29日時点の取材によれば「6月中の公布は予定されていない」とのことです。
これにより3月決算会社で前期末に平成28年4月1日以後に開始する事業年度に解消される一時差異に対する実効税率として32.34%を使用した会社も、法定実効税率の変更を第1四半期の決算に織り込む必要はなくなるようです。
公布日が決算日前となるのか決算日後になるのかを気にしなければならないのは疲れますが、公布日基準については6月19日に開催された第21回税効果会計専門委員会においては、「実務上一定の課題が識別され、多くの企業に影響を及ぼす論点」に位置づけられ、今後検討されていくこととされています。
公布日基準については、平成27年度税制改正に伴う東京都の条例公布日が決算日をまたいだことにより、超過税率の取扱いについて3月決算会社から疑問の声が出たこと等から、早期に検討すべき意見もあったとされています(経営財務3218号)。
ちなみにIFRSではIAS12号48項において以下のように定められています。
当期税金資産及び負債並びに繰延税金資産及び負債は、通常、法定税率(及び税法)を使用して計算される。しかし、法域によっては、政府が税率(及び税法)の公表をすればそれが実質的な制定(公表より数か月遅れることもある)と同じ効果を有する場合がある。そのような場合には、税金資産及び負債は当該公表税率(及び税法)を使用して算定される。
日本基準も上記のような感じで改定されるのではないかと推測されます。
日々成長。