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出る杭はもっと出ろ!

税務調査において電子メールの開示は拒否できるのか?

以前、”「税務調査の最新手法」とは?”で書いていますが、税務調査において電子メールの内容を確認が求められることはめずらしくありません。

これに関連して、T&A master No.601では「メール調査に対する企業の対応」という巻頭特集が組まれていました。

この記事では、「ヤフー事件で裁判所の認定事実としてヤフー側のやり取りが採用された様に、近年の税務調査ではメールが否認の端緒となることが少なくない」とされています。

そもそも、電子メールが税務調査の対象となるのかについては、国税通則法おいて、税当当局が納税者等に対して検査したり、提示・提出を求めることができるとされている「帳簿書類その他の物件」にPCやサーバーも該当すると解釈されているとされているとされています。

したがって、税務調査で電子メールの調査が求められた場合、完全に拒否するのは難しいですが、必ずしもすべての電子メールを開示する必要はないようです。これは、調査官が税務調査において電子メールが調査の対象となるとする際の根拠としてしばしば引用される荒川民商事件の最高裁判決(昭和48年7月10日)において、「質問検査の必要があり」「社会通念上相当な限度にとどまる限り」において調査が可能となるとされているためです。

この点に関連して、電子メールの提示を拒否できる可能性がある例として、上記の記事ではNDAを締結した取引先との案件に関連する電子メールがあげられています。NDAを締結している以上、税務調査であっても開示にあたっては取引先の了解が必要となり、「現実には、税務調査のために取引先に情報開示の了解を得るのは難しい」ので、「このような事情は調査官にもある程度理解される可能性がありそうだ。」とされています。

とはいえ、取引相手側も税務調査で開示が求められているとして、開示の了解が求められている場合に開示を拒否するのは、まるで税務的に問題となることに自らも関わっていることを認めているととられるのではないかという懸念から拒否するのには躊躇するということもあるような気はします。

この他、内部通報の電子メールについても、告発者の氏名や内容が秘匿される前提で運用されているところ、税務調査とはいえ、外部に開示する可能性があるとすると、内部告発制度自体が成り立たなく恐れもあるので、このようなケースもメールの閲覧を制限する理由となり得ると解説されています。

上記のように拒否できるケースも考えられるものの電子メールが税務調査の対象となる可能性がある以上、税務調査で問題となりそうなメールを削除しておこうということになりそうですが、「調査官が削除されたメールの復元を試みることは珍しくない」ため、その結果、メールの削除が発覚したり、CCやBCCで拡散したメールの一部が残っていたことからメールの削除指示が発覚し、隠蔽行為として重加算税を課せられるというケースも頻発しているので注意が必要です。

では、税務調査で確認された場合に問題となるようなメールが削除されていた場合、かならず隠蔽となるのかについては、それが特定の電子メールの削除を意図したものではなく「機械的にメールを削除した場合」であれば、「メールを特定して削除するわけではない以上、「隠ぺい」とは言いにくいだろう」とされています。

これは、機械的に電子メールを削除することによりサーバーの容量を軽減したり、機密情報や個人情報の漏えいリスクを軽減するという合理的な理由があるためです。とはいえ、電子メールの復元等によって、問題となる電子メールが発覚する可能性は同じですので、「隠ぺい」といわれないためにも、社内規程に定める等によって、通常そのように運用しているという事実を明確にしておく必要があると考えられます。

電子メールも税務調査の対象となることを前提とすると、「そもそも税務上問題になりそうな論点についてはメールのやり取りを控えるという行動が一般化することも考えられよう」とのことです。証拠は残すなということのようです(真っ黒ですが・・・)。

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