著作権は電気通信利用役務を構成しないそうです
少し前の記事になりますがT&A masterのNo.604(2015年7月27日号)に「著作権は電気通信利用役務を構成せず」という記事が掲載されていました。
消費税法の改正により電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直しが行われ、電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供が「電気通信利用役務の提供」と位置付けられ、その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準が、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から「役務の提供を受ける者の住所等(個人の場合には住所又は居所、法人の場合には本店又は主たる事務所の所在地をいいます。)」に変更されています。
そして、海外事業者から提供されたソフトウェアを国内事業者がインターネット経由で販売するという取引は、”「国内事業者が、国外事業者から(ソフトウェア等に係る)著作権等の貸付けや譲渡を受ける」取引までを一連の取引と見た場合、当該国内事業者は、最終的に「電気通信利用役務」の提供を行っていることから、その前提となる「国外事業者からの著作権等の貸付けや譲渡」も電気通信利用役務の一部を構成し、一連の取引が「国境を越えた役務提供」に見えなくもない”とされています。
しかしながら、このような取引は「国外事業者から国内事業者に対する著作権の貸付け又は譲渡」と「国内事業者から国内消費者に対するソフトウェアのネット販売」に分解され、国外事業者から提供を受ける部分は「著作権の貸付け又は譲渡」に該当し、電気通信利用役務を構成しないとのことです。
よって、海外事業者が著作権を有するソフトウェアをインターネットを通じて販売するようなケースでは、従来通り著作権を保有するのが国外に住所のある者か否かによって国内取引か否かを判定することとなり、「著作権の貸付け又は譲渡」は国外取引として消費税の課税対象外となります。