マイナンバー、提供されなかった個別事情まで記録は不要
2018年6月8日に「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」に関するQ&Aの更新版が公表されました。
今回の更新版において、従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればよいかというQ&Aが更新されています(Q4-6)。
これは、国税庁の「法定調書に関するFAQ」(Q1-2)(平成30年4月27日更新)と平仄を合わせたものですので、「法定調書に関するFAQ」と同様の内容でありますが、要約すると以下のとおりです。
①まずは、マイナンバーの記載が法律で定められた義務であることを説明する。
②それでも提供を受けられない場合は、単なる義務違反でないことを明確にするため、提供を求めた経緯等を記録保存する。
③あきらめずに来年また、マイナンバーの提供を求める。
そしてこのQ&Aの最後に以下の(注)が付されています。
(注)マイナンバー(個人番号)の提供を受けられない場合における、「提供を求めた経過等の記録、保存」は法令上の義務ではありません。「いつ提供を求め、その結果として提供を受けられなかった事実」を事後的に明らかにすることが可能であればよく、提供を受けることができなかった個別の事情までは記録する必要はありません。
上記からすると、Eメールでマイナンバーの提供を求め、従業員等がそれを拒んだというような返信があればそれで十分なのではないかと考えられます。
上記の他、利用目的の通知方法に関するQ1-5が更新されています。従来は「・・・通知等の方法は、書類の提示のほか社内LANにおける通知が挙げられますが、・・・」と限定列挙のように記載されていましたが、今回の改正により以下のように更新されています。
個人番号の利用目的の通知等の方法としては、例えば次のような方法が考えられますが、詳細は個人情報保護法第 18 条及び個人情報保護法ガイドライン等を参照してください。
・ 社内LANにおける通知
・ 自社のホームページ等への掲載による公表
・ 書面の提示による明示
特段対応が求められる内容ではありませんが、それにしても、マイナンバーが導入されて便利になったよねという日が来るのだろうか・・・