閉じる
閉じる
閉じる
  1. 株式会社MTGが四半期報告書の提出期限を再延長って何が?
  2. 「みなし大企業」の範囲を確認
  3. 業務手当の割増賃金該当性(固定残業代)が争われた事案
  4. 市場区分見直しに向けた第2回会合が開催
  5. ハイブリッド型バーチャル株主総会って何
  6. 雇用者給与等支給増加額を事後的に増額する更生請求は認められない
  7. 償却資産の申告制度見直しの動向
  8. 「株式の保有状況」の改正を再確認
  9. 税理士の懲戒処分は3割が名義貸し
  10. 上場企業による不正を発生原因や類型の調査結果
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

早朝出勤時に支給される朝食の課税関係

税務通信3532号の税務の動向に「早朝出勤時に支給する朝食の課税関係を支給方法別に整理」という記事が掲載されていました。

この記事では、夜間の長時間労働の抑制や生産性の向上などを目的に、早朝出勤を推奨する企業が注目を集めているとされ、そのような企業では福利厚生の一環として朝食が支給されることも多いようだとされています。さらに、早朝出勤に対して、深夜残業と同様の割増賃金を支給する企業もあるようだとのことです。

朝は作業効率が良いということはよく言われることではありますが、実際のところは各人の業務内容によって影響は随分異なるという感じはします。しかしながら、2014年3月に厚生労働省が公表した「健康づくりのため睡眠指針2014」では、「人間が十分に覚醒して作業を行うことが可能なのは起床後 12~13 時間が限界であり、起床後 15 時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率まで低下することが示されている」とされていますので、残業することを前提とし、起床時間と始業時間の間を短くすることが可能であるならば早朝出勤が作業効率を高めることにつながるかもしれません。

話がそれましたが、朝型勤務を奨励し、朝食を支給する場合の税務上の取扱いについては、所得税基本通達36-24に以下のように記されています。

36-24 使用者が、残業又は宿直若しくは日直をした者(その者の通常の勤務時間外における勤務としてこれらの勤務を行った者に限る。)に対し、これらの勤務をすることにより支給する食事については、課税しなくて差し支えない。(昭50直法6-4、直所3-8改正)

「残業」というと、通常の就業時刻後がまっさきに思い浮かびますが、就業時間前の勤務であっても「残業」であるのは同様です。したがって、上記は早朝勤務時に朝食を支給する場合にも適用されるということになります。

税務通信の記事では、早朝出勤を奨励しているケースで、朝食の支給方法を三つのケースに区分して取扱いが解説されていました。

1.企業が購入した朝食(1種類のみ・全員共通)を無料で支給する方法

このケースは上記、所得税基本通達36-24に該当するため、非課税となるとされています。そして、「全ての従業員に朝食の無料支給を受ける権利が与えられているのであれば、仮に、全員が支給を受けなくても、特段、課税関係は生じない」とされています。

また、気になるのはどの程度まで許されるのかですが、「社会通念上、高額と言える朝食を支給したのであれば、少額不追及の考え方に沿わず、課税対象になるという」と述べられているにとどまります。

2.企業が購入した朝食(数種類・選択制)を無料で支給する方法

おにぎりがいい人もいればパンがいい人もいるだろうということで、数種類の選択肢を用意して支給する場合ですが、この場合も1.と同様に所得税基本通達36-24に該当し非課税となるとされています。

各人に提供される朝食の原価に違いがあっても、社会通念上、高額といえるようなものでなければ問題はないということになります。

3.従業員らが購入した朝食を企業が金銭で負担(精算)する方法

従業員自らがコンビニ等で朝食を購入し、その代金を精算するという方法です。会社がが朝食を準備するということになると、それはそれで大変なので、上限金額などを設定して実費精算したいと考える会社も当然考えられます。

結論としては、この場合であっても、「支給する金銭が、朝食の支給と同視できるのであれば、所得税基本通達36-24に該当し、「非課税」となる」とされています。

根拠としては、実務上、「例えば、「食事券(転売不可等)」についても、”食事の現物支給”と同視できるものとして取り扱われている」ことが挙げられています。食事の現物支給と同視できるものと立証するためには、「朝食を購入した従業員らから、領収書やレシートなどの提出を受け、朝食の購入に伴い支給した金銭であることを明確にしておくべき」とされていますが、これは言われるまでもなくそのような対応が図られると思われます。

この方式を採用した場合に実務上問題となりそうなのは、朝食の提供のはずが、昼食になっているというようなケースではないかと思います。朝食を食べないという人はそこそこ見受けられますが、昼を食べないという人は少ないはずです。そうだとすると、朝食と称して昼食を買っているのが実態となっているということが起こりえます。

従業員とすれば、認められた範囲内の金額であればいつ食べるかは自分次第だと考えるかもしれませんが、税務上、勤務時間内に支給する食事については別の取扱いが定められています(所得税基本通達36-38の2)。

したがって、会社が金銭で精算しているものが朝食ではなく昼食であると判断されてしまうと、課税対象と取り扱われてしまうケースも考えられますので、注意が必要です。

早朝勤務の朝食支給は、効果がある会社もありそうなので、検討する価値はあるのではないでしょか。

関連記事

  1. 通勤手当非課税限度額の上乗せ特例の廃止-平成23年改正

  2. 請求書が複数枚ある場合の専門家報酬の源泉徴収は?

  3. 借換え前後の外貨建借入金の内容に実質的変化がなければ収益認識不要…

  4. 共有持分の放棄により取得した資産を譲渡したときの譲渡所得計算時の…

  5. 個人事業で使用する車両の事業利用割合が100%でない場合の譲渡所…

  6. 株式譲渡代金の調整条項で支払われる代金の収入時期

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー



ブログ統計情報

  • 8,115,584 アクセス
ページ上部へ戻る