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三菱ケミカルホールディングスが任意でKAMの報告を受領

2021年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度から導入されることとなっている「監査上の主要な検討事項」(KAM)ですが、株式会社三菱ケミカルホールディングスが、2019年3月期において「監査人による連結財務諸表監査の透明性を高める観点」から、任意でKAMに相当する事項の報告を受けたとして、内容を同社のHPに記載しています。

KAMに相当する事項というなかなか面白い試みで、実際に適用される際の参考になると思われます。

ちなみに同社の監査法人はEY新日本で、KAMに相当する事項として記載されている事項は以下の4項目となっています。
①産業ガス事業の企業結合
②のれんの評価
③耐用年数を確定できない無形資産の評価
④繰延税金資産の評価

いずれも連結FSに注記されている項目に対するもので、それぞれ「監査上の主要な検討事項に相当する事項の内容及び決定理由」、「監査上の対応」として、各1枚ずつ記載されています。実際に監査報告書に記載されるようになった場合に同様のボリュームになるのかわかりませんが、これが監査報告書に記載されることとなると、文字通り長文式監査報告書という感じです。

例えば、①は取得対価6458億円の企業結合に対するもので、無形固定資産とのれんがそれぞれ2083億円、3104億円計上されたとされています。計上された無形資産は、主に顧客に係る無形資産であり、「顧客に係る無形固定資産の測定ににおける重要な仮定は、将来の売上収益の予想、既存顧客の減耗率及び割引率である」と記載されいます。そして「企業結合に係る無形資産の測定は、複雑であり、経営者による判断を伴うものであることから、当監査法人は当該検討事項を監査上の主要な検討事項に相当する事項に該当するものと判断した」とされています。

監査上の対応としては、重要な仮定として掲げた「将来の売上収益の予想、既存顧客の減耗率及び割引率である」に対して、主にどのような検討を実施したがが記載されています。

他の事例などが出てこないとなんとも言えませんが、「監査上の対応」として記載されている項目は、監査法人によって大きく手法が異なるということは想定されないので、記載内容にそれほど大きな差は生じないのではないかと思われます。

結局のところ、何が(どこまで)KAMに該当するのかを決定するというのが一番の課題となるのではないかと思われます。KAMが導入されると、株主としては、これは何故KAMに該当しないのかというようなことを聞きたくなることがあるのではないかと思われ、総会でそのような質問が出て来ることも考えられます。会社としては会社に聞かれても・・・というところだと思いますが、想定問答集には載ってくる事項かもしれません。

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