令和2年税制改正ー消費税申告期限延長に期待
T&A master No.800に「令和2年改正で消費税の申告期限延長も」という記事が掲載されていました。
現状、法人税の確定申告書については、特例として1カ月(連結納税の場合は2カ月)の延長が認められていますが、消費税については法人税の申告期限を延長していたとしても2カ月以内に提出しなければならないものとされています。
今後、収益認識基準が強制適用となり、法人税と消費税で異なる取扱いが必要となる部分も生じると思いますが、そのような場合に、法人税の申告が完全に固まる前に、消費税の申告を行わなければならないというのは、結構厳しいように思います。
上記記事によれば、3月決算法人の場合、「本来6月末までに行えばよい法人税の申告調整業務(売上計上漏れや経過勘定のチェックその他)を、GWを返上して5月中に行わなければならないという事態が生じている」とされ、このような状況から、「事業者の間では、消費税にも申告期限の延長制度を設けるべきとの声が高まっている」とされています。
消費税の申告期限延長については、前からそのような要望は結構あったと思いますが、「平成28年度税制改正における国税通則法の見直しにより、調査通知以後から調査による更生等の予知前までの修正申告については、その申告に基づいて納付すべき税額に5%(又は10%)の過少申告加算税が課されるようになったこと」や無理な作業を強いる状況が「働き方改革」に反するということもあり、消費税の申告期限延長論を後押ししているとのことです。
とはいえ「消費税の申告期限の延長が令和2年税制改正議論の対象となる可能性は十分にありそうだ」というレベルで、実際に来年の改正に向けて議論が盛り上がっていくのかは不透明ですが、実務的には是非実現してもらいたい事項だと思います。