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DESを巡る税賠訴訟、高裁でも税理士法人に3億円の賠償命令

3年ほど前に相続税の節税対策を巡って東京地裁で争われた税賠訴訟の高裁判決が下されたとのことです。

結論としてはタイトルのとおり、高裁でも税理士法人が敗訴し、約3億円の損害賠償が命じられました。

そもそも、どんな事案かですが、不動産の賃貸および管理等を目的とする会社(債務超過状態)に対して、その代表者が貸し付けていた約11億円の貸金債権について、代表者が顧問税理士法人に相談したところ、清算方式とDES方式の二つが提案され、この代表者は総合的にみてDES方式の方が有利と判断してDESを採用したところ、代表者の死亡後、DESによる債務免除益が発生することが別の税理士法人の指摘で判明し、結果的に会社が約3億円の納税を行うこととなったため、当税理士法人に対して訴訟を提起したというものです。

この税理士法人の提案書ではDES方式の場合は、「会社に繰越利益剰余金がマイナス約10億円あるため、代表者が本件債券を10億円まで出資しても株価の評価は0円であるとした上で、メリットとして有利子負債の減少に伴う支払利息の軽減、資本金増額における取引先との格付けアップ、債権に係る相続税の軽減の3項目が記載される一方、デメリットとして交際費の全額損金不算入、中小法人の特例が不適用、外形標準課税の導入、住民税均等割の増加の4項目が記載され、現物出資(DES方式)が最も有利と考えられるとの結論が示されていた。ただし、債務消滅益に対する課税の可能性や課税がされた場合の具体的な税額の試算等の記載はなかった」(T&A master No.806)とされています。

上記の記事で高裁での税理士法人と会社の主張としてまとめられていたものの中に、税理士法人の主張として「DESを採用した場合、相続による相続税は課税されないこととなるし、被控訴人の法人税についても、本件債権を9億9000万円と評価すれば、課税がされない」というものがありました。これに対する、会社の主張は「控訴人は、本件確定申告の時期に至っても本件債権の時価評価を行っていなかったのであり、単に平成18年改正により本件債権を時価評価する必要があることを認識していなかった」というものがあります。

確かに、債務超過会社に対する債権という理由だけで会社が貸倒の処理をしても、税務当局は損金算入を認めてくれないはずで、それを踏まえると債務超過会社に対する債権額の評価が0円とは限らないと考えられます。とはいえ、この税理士法人は、別の税理士法人の指摘をうけて、このDESがなかったものとして法人税等の申告をしたという経緯があった(その後会社は資金の準備ができた時点で修正申告)ことを考慮すると、かなり苦しい言い分といえます。

また、課税が生じるという点についても税理士法人側は「DESの実行により債務消滅益が発生し、課税を指摘される可能性をしてきた上で、その場合でも税額は法人税が3億円程度であると説明」したと主張したとのことです。

これに対して会社側は、そんな説明を受けていたらDESは選択していないと反論し、裁判所も「税理士法人によるDES方式の提案書には、法人税が課される旨は一切記載されていない上、DES方式が最も有利であると記載され、法人税も相続税も生じないことを前提としており、法人税が3億円程度生じる可能性がある旨の説明がされたとは到底考えられない」としたとのことです。

税理士法人は上告しており、最高裁でも争われることになるようですが、結果がかわることはないのではないかと思われます。

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