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海外住宅投資の節税認めず-富裕層課税強化へ

本日の日経電子版のイブニングスクープに「海外住宅投資の節税認めず 政府・与党、富裕層課税強化へ」という記事が掲載されていました。

本当のお金持ちはきちんと節税しているので、給与所得者ばかりに目を向けず、このような動きは個人的には歓迎です。

どんなことが節税として流行っているのかですが、日本と異なり築20年以上であっても価値が下がりにくい欧米諸国等の中古建物を取得し、簡便法により算出した短い耐用年数に基づく多額の減価償却を計上することで不動産所得に損失を生じさせ、給与所得と損益通算し節税を図るというものとのことです。

このような節税スキームは、会計検査院が問題視し、平成27年度決算検査報告において、「国外に所在する中古建物に係る減価償却について」という項目で取り上げられていました。さらに、平成30年度改正ではその封じ込めが検討されたものの見送られていました。

令和2年度税制改正では、ついに簡便法により算出した耐用年数に基づく減価償却費の経費計上を認めない改正がなされることになるようです。

ちなみに日経新聞の記事によれば「高額な物件を買うほど節税の恩恵が得られるため、富裕層を中心に利用されている。会計検査院が富裕層の多い東京都の麹町税務署管内などで調べたところ、海外の中古物件で延べ337人が39億8千万円超の赤字を計上していた。」とのことです。これについては、従来の税法では問題がない処理であったので腹を立てるのは筋違いではあるものの、平成27年度決算検査報告で取り上げられていたのであれば、給与所得控除の削減等を検討する前にこちらに手を付けてもらいたかったというのが率直な感想です。

この改正見込みについてはT&A masterでの2周連続で取り上げられており、「海外中古建物を保有する居住者やその顧問税理士等の間で話題を呼んでいる」とのことです(T&A master No.812)。

そして、同誌編集部に寄せられた質問は以下の三つに要約されるとされています。
①本改正では減価償却費の経費計上そのものが認められないことになるのか、不動産所得の中出は経費計上が認められ、給与所得等との損益通算が認められなくなるのか
②既に海外中古建物を取得している場合はどうなるのか
③節税目的でなく海外中古建物を購入した場合の取扱いも同様に取り扱われるのか

①については減価償却費の経費計上そのものが認められないことになる可能性が高いとのことです。

②については、”「減価償却費の経費計上そのものが認められなくなる」という改正が行われることを前提にすると、不利益不遡及の原則から、過去に本節税スキームにより経費計上した減価償却費にまで本改正が及ぶことはないと考えられる。”とのことですが、「改正後の損金算入が認められなくなると考えるのが自然であろう」と述べられています。法人のがん保険の取扱いなどは、改正前に契約したものはその後も同様の取扱いが認められていることと比較すると、改正前に取得したものについても、改正後に損金算入が認められなくなるというのが正しいとすると、関係する人には結構なインパクトがあると考えられます。

最後に③については、海外赴任中に購入し、その後賃貸しているというような場合であっても”海外中古建物の「保有目的」をいちいち問うのは税務執行上も困難(キリがない)であることから、保有目的は問わず、居住者が保有する海外中古建物の減価償却については、一律に経費計上が認められないことになろう”と述べられています。

結局今回も見送られるということがないよう、きちんと税制改正に織り込んでもらいたいと思います。

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