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平均功績倍率「1.06」で約2億6000万円が過大と認定(東京地裁)

税務通信3595号の裁判例・裁決例2019年2月19日の東京地裁の裁判例が取り上げられていました。

この事案は、搾乳事業・肉用牛の育成等の事業を行う会社(原告)が、同社の創業者である元代表取締役に対して支払った役員退職給与3億円の中に「不相当に高額な部分の金額」があるか否かを巡り争われたものです。

原告は当初功績倍率「8.00」により約3億円の役員退職給与を支払っていたとされてますが、結論として東京地裁は、国が抽出した同業類似法人3社の平均功績倍率「1.06」に基づき算出した約4000万円を超える約2億6000万円が「不相当に高額な部分の金額」に該当すると判断したとのことです。

原告が採用していたとされる功績倍率「8.00」は一般的な目安と言われている3倍と比較して相当高い水準なので、税務調査があれば目を付けられる部分ではあると思いますが、一方で、国税側が主張した「1.06」倍というのもちょっと極端すぎやしないかというのが率直な感想です。

ちなみにこの事案の元代表者への支給金額は最終月額報酬110万円、勤続年数34年、功績倍率8倍で計算したものとされています。なお、同社の売上規模は約32億円とのことです。

東京地裁は、国が抽出基準として採用した「売上金額が約16億円以上63億円以下の事業年度があり(いわゆる倍半基準、X社の売上金額は約32億円)、所得金額が欠損でないこと」などは合理的であると認定したとされています。

平均功績倍率算出の対象となった3社の役員退職給与は、1億9500万円(最終月額報酬350万円、勤続年数48年、功績倍率1.17倍)、2740万(最終月額報酬93.3万円、勤続年数22年、功績倍率1.34倍)、300万円(最終月額報酬42万円、勤続年数11年、功績倍率0.65倍)と金額的には大きな開きがありますが、功績倍率でみると高くても1.34倍で、類似同業の平均が1.06倍というのも低すぎるというものでもないということになります。

とはいえ、計算にあたり参照すべき類似同業の平均倍率を国が公表している訳ではないので、一般的にいわれる3倍くらいであったとしたら果たして問題視されていなかったという可能性もあるのではないかと思われます。

そもそも、納税者側がデータベースとして参照できるようになっていないというのがフェアではないと思いますので、電子申告が義務化され電子データ化がすすむ利点を活かしこのようなデータも納税者側が検索できるようになることが望まれます。

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