出勤0日の非課税通勤手当の取扱いは
通勤時の電車の人数からすると、完全に在宅勤務という方も減ってきているように思いますが、4月あるいは5月は1ヶ月まるまる在宅勤務であったというケースもあったと思います。
会社によっては、完全に在宅勤務の場合は、通勤手当の支給を0としたというケースも、減額なく支給したというケースもあったと思います。確かに、出勤日がなければ定期代見合いの手当を支給する必要はないということになりますが、一方で、在宅勤務により光熱費等が発生することを踏まえると、そのような費用の補填として通勤手当はそのまま支給するという考え方もあります。
通勤手当については、1か月15万円を限度として、通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして,最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額が所得税法上、非課税となるとされています。
ここで、在宅勤務が継続した(している)ことにより、出勤日がない場合に支給される通勤手当の取扱いはどうなるのかが問題となります。
この点、税務通信3608号のショウ・ウインドウ「コロナ禍のテレワークと非課税定期代」によると、”一時的なテレワークの実施により会社に通勤しないとはいえ,従業員らの本来の勤務地が,会社であることに変わりはない。また,テレワークの実施期間中に,従業員らが必ずしも通勤しないとは限らないことなどからして,一時的にテレワークを実施していることのみをもって,毎月の通勤手当を給与所得と認識する必要はない“とのことです。
なお、通勤定期券について、「従業員らに払戻しを求め、出社分のみ交通費として実費精算する対応でも、給与課税は生じない」とのことです。
ただし、上記の記事でも「一時的にテレワークを実施していることのみをもって」とされており、米国のIT企業のように年内は原則在宅勤務といったような場合には、別途検討が必要となると考えられます。