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電子取引データの電子保存、改正法施行日までに準備期間足りず?

T&A master No.884に「新電帳法施工まで半年、準備期間足りず」という記事で令和3年度税制改正で改正された電子帳簿保存法に関する事項が取り上げられいました。

令和3年度改正では、国税関係帳簿の電磁的記録による保存等の要件が緩和されていたり、国税関係書類のスキャナ保存の要件が緩和されたことにより、これらの制度を導入しやすくなったといえます。

特に国税関係書類のスキャナ保存においては、定められた入力期限内に入力されていることが確認できることなどの一定の要件を満たしている場合にはタイムスタンプの要件が廃止されたことから、従来と比較すると低コストでスキャナ保存の導入が可能となると考えられます。

このほか、スキャンする際に求められていた自署要件が廃止されたり、適正事務処理要件が廃止されたりしており、運用面でも柔軟な対応が可能となっています。当然のことながらいいかげんな運用が認められるというわけではなく、一方で罰則も強化されており、自主的に適切な運用がなされるということが前提となっているといえます。

上記の通り、要件が緩和された項目が多くある一方で、電子取引データの保存については、従来と比較して要件が厳格化されています。

「改正前の電子取引データの保存制度では、申告所得税、法人税について、検索要件を含む諸要件が満たせない場合には、そのデータの出力書面をもって電子取引データに変えることができるとされ(電帳法10条)、今回の改正でこの措置が廃止され(改正電帳法7条)、電子取引について紙保存に”逃げる”という代替手段が完全に封じられる」(T&A master No.884)こととなっています。

在宅勤務の拡大等により、従来郵送されてきていた請求書がEメールに添付して送付されてくるようになったというようなケースも多いようですが、このような場合に、このデータを改正電子帳簿保存法の要請にしたがって保存しておく必要が生じるということになります。

例えば、検索項目として取引年月日、取引金額、取引先名称の3項目で検索できなければならず、さらにと取引年月日や取引金額は範囲指定及び2以上の項目を組み合わせた条件設定ができる必要があるとされています。

そして、「これに対し多くの企業からは、施行日までの準備期間が極めて短いため、改正後、直ちに電子データの保存要件を満たすことは相当困難ではないかとの指摘が出始めている」とのことです。改正法の施行日は2022年1月1日とされていますので、あと約半年で対応が求められることとなります。

上記の記事では、「今回の制度変更の詳細によっては、これまでデータでやり取りしていた企業間の取引情報を紙に戻すということも検討せざるを得なくなる」ということも生じうるとされています。本来施行日までに対応しなければならないわけですが、施行日後合理的な期間内に対応が完了するのであれば、それまでの期間において従来ベースで書類を保存していたとして、実務上どこまで問題となりうるのかがポイントとなると考えられますが、そもそも電子化を国として進めようとしているわけですから、税務行政としても柔軟な対応がとられることになるのではないかと個人的には期待しています。

とはいえ、基本的には対応する方向で検討しないわけにはいきませんので、対象となるデータの洗い出しから始めていこうと思います。

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