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株式交付(その3)-手続概要

今回は株式交付を実行しようとした場合の手続きについて確認していくこととします。

株式交付は、部分的な株式交換といえるようなものですので、組織法上の行為と同様の性格を有しています。そのため、株式交付親会社の株主及び債権者の保護を図るため、株式交換に類似した手続きを行う必要があります。

株式交付を実施する際に株式交付親会社で必要となる手続きは以下のとおりです(「令和元年改正会社法ポイント解説Q&A」岩崎友彦・西村修一・濱口耕輔編著、日本経済新聞出版社 P243-244)。

(1)株式交付計画の作成(会社法774条の2)
(2)事前開示・事後開示(会社法816条の2、816条の10)
(3)株主総会の特別決議(簡易手続の場合を除く)(会社法816条の3)
(4)反対株主の株式買取請求(簡易手続きの場合を除く)(会社法816条の6)
(5)債権者異議手続(株式交付親会社の株式以外の対価を交付する場合)(会社法816条の8)

株式交付の場合は、株式交換と異なり、株式交付子会社の株主との個別の合意により株式を取得することとなるため、株式交付親会社と株式交付子会社の株主との間で以下の手続きが必要となります。

(1)株式交付親会社による株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対する通知(会社法774条の4第1項)
(2)株式交付子会社の株主から株式交付親会社に対する株式の譲渡しの申し込み(会社法774条の4第2項)
(3)株式交付親会社による株式交付子会社の株式の譲渡人及び譲り受ける株式数の決定(会社法774条の5第1項)
(4)株式交付親会社から申込者に対する譲り受ける株式の数の通知(会社法774条の5第2項)
(5)(4)の通知を受けた申込者から株式交付親会社に対する株式の譲渡し(会社法774条の7)

次に、株式交付子会社で必要な手続きですが、これについては特別な定めはなされていません。これは、株主交付の実質は通常の株式譲渡あるいは現物出資と異ならず、これらの場合において譲渡人以外の株主の保護のための手続きは、株式の譲渡制限を除き設けられていないこととの整合を図ったことによるものとのことです。

したがって、株式交付子会社側では基本的に手続不要ですが、株式交付子会社の株式が譲渡制限株式である場合には、株式交付子会社において譲渡承認手続きが必要となります。

手続きの概要は上記のとおりです。細かな内容は次回以降で確認するととしますが、個人的に実務上まず気になるのは、株式交付実施しようとする場合、最低限どれくらいの期間がかかるのかという点です。

これについては、株式交付親会社株主の保護手続として、株式交付親会社は株主に対して、効力発生日の20日前までに株式交付をする旨、株式交付子会社の商号及び住所を通知又は公告をする必要がある(会社法816条の6第3項、第4項)とされていますので、他の手続きに全く時間がかからないとしても3週間は必要ということになります。実務上は、最低1ヶ月かかると考えておくのが現実的だと思われます。

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