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2021年、上場会社で意見不表明は3社

少し前に、”2021年10社で限定付適正意見が表明“で限定付適正意見が表明された上場会社について紹介しましたが、2021年に公表された有価証券報告書の監査報告書で意見不表明となったのが3社あったとのことです(経営財務3541号「監査意見の不表明、2021年の監査報告書で上場3社」)。

経営財務誌の記事によると、2021年中に意見不表明となったのは以下の3社とされています。

①昭和ホールディングス(東二、2021年3月期連結、監査法人アリア)
②五洋インテックス(JQ、2021年3月期連結・個別、フロンティア監査法人)
③レッド・プラネット・ジャパン(JQ,2020年12月期連結・個別、監査法人やまぶき)

上記のうち②の五洋インテックスは2021年7月26日に上場廃止となっています。ちなみに、日本取引所のサイトの説明によると、上場廃止理由は、「内部管理体制確認書が提出され、内部管理体制等について改善がなされなかったと当取引所が認める場合(内部管理体制等について改善の見込みがなくなったと当取引所が認める場合に限る。)に該当するため」とされています。

より具体的な内容も記載されていますが、まとめの部分では以下のとおり述べられています。

「上記のとおり、当該指定から1年を経過した時点においても、同社においては、内部管理体制等の改善の前提となる役員体制、組織体制や規程等が未だ実質的に整備されていない状況が継続しており、確認書提出後においても、同社が示した予定のとおりには改善が進んでいませんでした。また、開示された改善計画の記載が一部虚偽であること、取締役会の意思決定を実質的に無効化する行為が行われていたこと、改善策で定めた選任プロセスを遵守しない役員候補者の選任が改善計画の開示後においてなお行われたことが明らかとなるなど、同社役職員には、規程遵守を含めたコンプライアンス意識の改善は進んでおらず、同社の内部管理体制等について改善はなされなかったと認められました。」

財務報告にかかる内部統制にもかなり影響があると思われますが、このような中で意見不表明となった監査報告書にどのような理由が記載されていたのかを確認してみると、以下の様に記載されていました。

「意見不表明の根拠
第5【経理の状況】1【連結財務諸表等】(2)【その他】に記載のとおり、会社の連結子会社である五洋亜細亜株式会社における中国の取引先との取引及び会社の不動産賃貸借契約に関する調査を目的として、外部調査委員会を設置し、調査が行われている。外部調査委員会による調査は本監査報告書日現在終了していないが、会社は連結財務諸表を作成し、提出することとした。
当監査法人は外部調査委員会による調査結果を入手できなかったため、最終的な調査結果を評価できていない。その結果、当監査法人は、上記の五洋亜細亜株式会社における中国の取引先との取引及び会社の不動産賃貸借契約について、会社の連結財務諸表に関する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかったため、連結財務諸表を構成する数値に修正が必要となるか否かについて判断することができなかった。」

上場廃止となった理由から想像すると、上記で問題となっている部分の白黒が明らかになっても、他にも結構問題があるのではなかろうかと勘ぐってしまいますが、修正が必要だと判明した部分があったとしてもそれは修正済ということだったのでしょう。

次に①の昭和ホールディングスの監査報告書では以下のとおり記載されていました。

「意見不表明の根拠
(追加情報)に関する注記(JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について)の記載のとおり、会社の連結子会社でタイ証券取引所上場のGroup Lease PCL.(以下、GL)の子会社Group Lease Holdings PTE.LTD.(以下、GLH)は、2020年10月6日に、JTrust Asia Pte.Ltd.を原告とするシンガポール共和国での損害賠償請求訴訟の判決において、GLHほか被告6名に対し、約7千万 US ドル及び約13万シンガポールドル(日本円で約74億円)の支払いを命じられた。
当監査法人は、重要な構成単位であるGLの連結財務情報について、GL会計監査人にグループ監査に基づく監査及びレビュー業務を依頼しているが、上記の判決に関連してGL会計監査人の検討が継続しており、当監査法人独自に実施している代替手続によっても、現時点では、計画した監査手続を完了することができなかった。
GLの連結財務情報は、会社の当連結会計年度に係る連結財務諸表の数値の大半を占める重要な構成単位であり、連結財務諸表に与える影響は、重要かつ広範であるため、当監査法人は、上記の連結財務諸表について意見不表明とすることとした。」

ちなみに、昭和ホールディングスの子会社であるウェッジホールディングス(JQ,2021年9月期連結)では、上記と同様の事由により、21年9月期の監査報告書において限定付適正意見が付されていました。時点が異なることと、影響範囲が異なるとはいえ、事例としては面白い事案です。

最後に③レッド・プラネット・ジャパンの監査報告書(2020年12月期)では以下のとおり記載されています。

「意見不表明の根拠
継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は過年度より継続して営業損失、経常損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、また、当連結会計年度において、重要な親会社株主に帰属する当期純損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。当該状況に対する対応策は当該注記に記載されているが、現時点において事業の遂行に必要な資金調達の目処が立っておらず、具体的な資金計画が提示されなかった。したがって、当監査法人は経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することの適切性に関する十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかった。」

ちなみに、2021年12月期の1Q~3Qのレビュー報告書も「結論の不表明」となっています。このような不表明がどの程度続くのかは不明ですが、あまり長く続くのは変ではあります。有報でも同様の記載となるのか注目です。

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