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日本税理士連合会がインボイス制度の導入延期か運用緩和を求める

日本税理士連合会が2022年6月29日に公表した「令和5年度税制改正に関する建議書」において適格請求書等保存方式(インボイス方式)については、導入時期を延期するか、少なくとも中小企業者の実務を踏まえた柔軟な運用を行うことを、「本建議書における重要県議項目」の一つ目に掲げていました。

以下の問題点に対して必要な措置を検討すべきとして、二つの事項が挙げられており、行間を読むと以下のようになると思います。

①事務負担に与える影響
 取引の都度、適格請求書等の有無の確認を行う必要があり、従来のような3万円基準もないので事務負担が重い。税理士が記帳代行も行っているということも多いので、自分事としてやってられないと感じる方が多いという側面もあると思われます。大変だから報酬をその分上げてもらえればよいですが、そんなに簡単に報酬をあげてくれる会社は少数だと思いますし、システムやサービス提供者からすれば、システム等の利用によるDX化をすすめましょうということになるのでしょうが、やはり費用面でそう簡単ではありません。
 
 「特に」として挙げられているのが、最近話題の買手が手数料を控除して振り込んできた場合の取り扱いで、「商慣習として取引の相手方が振込料を差し引いて振り込んできたときには、新たに変換インボイスの交付・確認等の事務負担が生じる」と述べられています。
 
 継続取引先であれば、次の請求書に前月の差額(手数料と考えられる金額)を値引きとして処理した旨を記載することでもよいようで、そのようなコメントが付記されるようなシステム対応も図られてくることも多少期待できるので、事務負担については軽減可能となるような気はしていますが、買手が勝手に差し引いてきた手数料を追認するような記載をするのは正直気がすすまないという面はあります。返還インボイスについても求めがあれば交付するという建付けであれば何ら問題ないですが、現状は交付しなければならないという建付けになっていますので、システム対応不可ということであれば、事務負担は重くなるというのは確かです。
 
 また、「基準期間におけるる課税売上高が免税点以下となっても、適格請求書発行事業者の登録を取りやめなければ免税事業者にならない点など、登録制度についても、事務負担軽減の観点から再検討すべきである。」とされています。適格請求書発行事業者は義務を負うことになるので、登録制にしているということのようですが、課税事業者=適格請求書発行事業者という関係が成立するとした方がシンプルでわかりやすいのは確かだと思います。

②市場取引に与える影響
 これもよく言われている点ですが、取引の見直しや消費税相当額の値下げを強いられ、「廃業を余儀なくされる事業者が増える可能性あることにも留意すべき」と述べられいます。この点については、公正取引委員会等から「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」が公表されており、けん制はされていますが、これを契機に取引先を見直すという動きが禁止されるわけではないので、結果的に取引を失うということが多く発生することは予想されます。
 
 個人事業主の士業についても、実は免税事業者でありながら消費税を請求していたというケースは多々あると思いますので影響は大きいのではないかと思われます。特に、税理士さんは仮に免税事業者であっても従来消費税を請求していたら、今更実は免税事業者でしたとはいいにくということはあるかもしれません。

上記①、②の他、「新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の制約が概ね解消され、簡易で安価な電子インボイス制度の整備のほか中小企業者の実務を踏まえた負担軽減措置が講じられるまでの間は、導入を延期するか、少なくとも中小企業者の実務を踏まえた柔軟な運用を行うべき」とされています。

来年の10月1日からインボイス制度が適用開始となるわけですが、日本税理士会連合会が延期を要望する中で、スケジュール通りに適用開始となるのか、今後の動向に注目です。

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