書類添付漏れの訂正報告書提出は38件-2018年3月期有報
経営財務3384号に同誌が2018年3月期の有価証券報告書に関する訂正報告書の提出件数を調査した結果が掲載されていました。
6月1日から10月31日までに提出された18年3月期の有価証券報告書の訂正報告書は133社で142件(複数回訂正あるため)であったとのことです。
訂正が最も多いのは経理の状況で83件(37.6%)、これに提出会社の状況が75件(33.9%)となっています。この部分の訂正が多くなるというのは想像どおりだと思いますが、単なる書類の添付漏れによる訂正報告書の提出も38件(26.8%)と結構多くなっています。
添付漏れした書類とその件数は以下のとおりであったそうです。
・定時株主総会招集通知 23件
・定時株主総会決議通知 22件
・定款 17件
・定時株主総会招集通知に関してのインターネット開示事項 12件
・定時株主総会招集通知事項の一部訂正について 2件
個人的に一番やってしまいそうだと思うのは定款です。定款については、変更がなければ基本的に添付不要ですが、5年経過ごと添付が必要となるということを失念するという可能性と、変更があった場合に添付しなければならないということを失念するという可能性があります。特に担当者が変更になった場合に、前年ベースで添付を忘れるという可能性が高くなります。
総会招集通知および決議通知は件数は定款よりも多いですが、全社が対象である中での23社ですし、基本的に前年何を添付していたかを確認すれば添付漏れが生じる可能性は高くありません。強いて挙げれば、上場後最初の有報提出時に添付を失念する可能性はやや高いといったところでしょうか。
一方で、定時株主総会招集通知に関してのインターネット開示事項については、従来招集通知に記載していた事項の一部をインターネット開示事項としたという場合に添付を失念するという可能性は考えられます。特に最近では招集通知の記載ボリュームが増える傾向にあるため、印刷代や郵送費用等を勘案してインターネット開示を行うのが一般的になってきています。そのため、新たにインターネット開示を開始したような場合には注意となります。
単なる添付書類の漏れであれば、訂正報告書の提出も大した手間ではないと考えられるものの、格好のよいものではないので注意しましょう。
経理の状況での訂正については、これも予想どおりだと思いますが、件数が多いのは注記部分で44件となっています。訂正箇所は広範にわたるとされていますので、特にこの部分に多いというものはないようです。
また、提出会社の状況では、「役員の略歴や役名、所有株式数等を訂正するものなど、単純な記載ミスと考えられる事例が多かった」とされています。担当者からすれば、こんな単純なミス誰か気づいてよと後で思ったりしますが、単純なミスって意外に気づかれずにそのまま提出されてしまうんですよね。明日は我が身と気を引き締めようと思います。