信用出資は消費税法上の出資の金額に該当するか
税務通信3597号の税務相談で「信用出資は消費税法上の出資の金額に該当するか」というものが掲載されていました。
信用出資は民法上の組合や合名会社の社員及び合資会社の無限責任社員に認められているとされていますが、いままで信用出資に遭遇したことはありませんので、信用出資が消費税法上出資の金額にあたるのかなんてことも考えたことはありませんでした。
この相談事案では、行政書士法人において、社員2名の出資が信用出資のみで合計1100万円の場合、この行政書士法人は、出資の金額が1000万円以上の法人として、消費税法第12条の2(新設法人の納税義務免除の特例)の規程の適用対象となり、基準期間がない課税期間は納税義務者となるのかという点が検討されています。
結論としては、信用出資は、消費税法第12条の2第1項に規定する「事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額」に含まれるため、当該行政書誌法人は基準期間のない課税期間は納税義務者になると考えられるとされています。
不思議な感じはしますが、上記は、”消費税法第12条の2第1項に規定する「出資の金額」は、「出資」から除外する規定等はなく、事例の行政書士法人の社員は信用出資をすることができることとされており、この信用出資は消費税法第12条の2第1項に規定する「出資」に該当するものと認められます”と述べられています。
一般的に信用出資に今後遭遇する可能性は高くないと思いますが、意外な取扱いだったので取り上げました。