子会社株式の購入手数料-消費税は共通対応でいいそうです
T&A master No.859に”子会社株式の購入手数料は共通対応”という記事が掲載されていました。
一般的に、国内における有価証券の取得に関する購入手数料は、「非課税売上対応」に区分されるものとされています。
一方、マンション販売事業社の仕入税額控除の取扱いをめぐる裁判では、地裁の判断が分かれているものの、いずれの判決でも、用途区分は「仕入れの時点における目的」で判断すべきと解釈されていることから、購入時点において将来において保有を継続する意図で取得した子会社株式等の購入手数料は「共通対応」と区分すべきなのではないかとの声があがっているとこの記事では述べられています。
同誌が「課税当局に確認したところによると、企業支配等、”保有”が目的である場合は、非課税売上げにのみ要するものとは言えず、また、課税売上にのみ要するものとも言えないため、「共通対応」に区分されるとのことだ」とのことです。
なお、「共通対応」として取り扱う際には、「有価証券の取得の目的が、株主向けのIR情報や、稟議書等で明確にされているなど、客観的に説明できる状態にあることが重要とのこと」とされています。
この取扱いについては、課税当局から公表されている情報はないものの、「納税者等から同様の問合せを受けた場合には、統一的に上記のとおり回答するようにしている」とのことですので、課税当局に金額的に重要であれば問い合わせてみるとよいでしょう。
子会社株式については、継続保有が前提であることが大多数であると考えられるところ、M&Aにおいて支払うDD費用や仲介手数料は金額が大きくなることも多いので、上記の取扱いは覚えておいたほうがよいと思われます。