単体開示簡素化第1号は(株)スクロール
平成26年3月期の有価証券報告書から適用可能となっている単体開示の簡素化ですが、第1号は(株)スクロールという小売業の会社でした。
総会前の提出かと思いきや、同社は5月30日に総会を開催し、同日付で有価証券報告書を提出したとのことです。
同社の単体財務諸表の表示方法の変更には以下のように記載されています。
1. 貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、有形固定資産等明細表、引当金明細表については、財務諸表等規則第127条第1項に定める様式に基づいて作成しております。
また、財務諸表等規則第127条第2項に掲げる各号の注記については、各号の会社計算規則に掲げる事項の注記に変更しております。
2. 以下の事項について、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第80条に定めるたな卸資産の帳簿価額の切下額の区分掲記または注記については、同条第3項により、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第26条に定める減価償却累計額を直接控除した場合の注記については、同条第2項により、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第95条の3の2に定める減損損失の注記については、同条第2項により、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第107条に定める自己株式に関する注記については、同条第2項により、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第8条の6に定めるリース取引に関する注記については、同条第4項により、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第8条の28に定める資産除去債務に関する注記については、同条第2項により、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第68条の4に定める1株当たり純資産額の注記については、同条第3項により、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第95条の5の2に定める1株当たり当期純損益金額に関する注記については、同条第3項により、記載を省略しております。
・財務諸表等規則第121条第1項第1号に定める有価証券明細表については、同条第3項により、記載を省略しております。
(損益計算書)
1. 前事業年度まで表示しておりました「営業原価明細書」は、重要性が乏しくなったため、当事業年度より記載を省略しております。
「営業原価明細書」については、製造原価報告書の省略されることとなったことに対応しているものだと推測されますが、「重要性が乏しくなったため」と理由が開示されています。
一方で、6月6日に単体開示の簡素化を選択した有価証券報告書を提出したHOYA(株)では、製造原価報告書が省略されているため、表示方法の変更(一部)に以下が記載されています。
また、主な資産及び負債の内容については、両社とも「連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。」と記載されているのみとなっています。
これから本格的に3月決算の総会シーズンを迎えますが、最終的にはどれくらいの数の会社が単体開示の簡素化を選択するのか注目です。
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