IFRSの任意適用会社(予定を含む)が50社を突破!
経営財務3188号によるとIFRSの任意適用会社が50社を超えたそうです。
直近では、以下の三者がIFRSの任意適用を公表しています。
2013年末時点では約30社程度だったので、伸び率でいえば相当大きく伸びているのですが、2016年に目標とする300社への道のりは程遠いという感じがします。
IFRSの任意適用会社については、東証のHPに会社の一覧が掲載されており、こちらは49社となっています。経営財務の集計だと51社となっており違いは何かを確認してみると以下の2社でした。
大和証券グループについて確認してみると、同社のHPに掲載されている「2014年度第2四半期決算・電話会議Q&A」に以下のような記述がありました。
Q9. なぜこのタイミングでIFRSを導入するのか。
A9. IFRSは、本来、2015年度から適用される政策であったため、準備を進めてきました。そのため当社グループは任意適用も可能な状況です。しかし、日本では必ずしも投資家が受け入れる状況にはないと思われるため、来年度も日本基準での開示を継続します。IFRSを開示する理由としましては、国内外の投資家に対する情報開示において、当社グループも国際的な金融機関として採用すべきと考えたためです。
上記から判断すると、IFRSベースの財務諸表も開示されるものの、監査対象となる財務諸表は日本基準のものということのようです。
ネクストについては、平成27年3月期第2四半期の短信で「来年度に当たる平成28年3月期よりIFRSを導入する予定」と記載されていますが、東証のHPには「任意適用予定会社数については、IFRSを適用する旨のプレスリリースを行った会社数を集計」と記載されていますので、「国際会計基準の任意適用に関するお知らせ」というようなリリースを行っていない同社は東証にカウントされていないものと推測されます。
ネクストという会社は、不動産情報サービス事業を主な事業としておこなっている会社で、前期の連結売上高は約147億円、経常利益は約23億円という規模です。日本電波工業(売上高約50億円、営業利益2億円程度)という例はあるものの、この規模でIFRSを任意適用するのは少々意外な感じがします。
同社は10月にスペインのTrovitという会社を111億円で買収し完全子会社化することを公表しています。同社が公表している「Trovit社の買収について(2014年10月9日説明資料」によると、この買収により「のれん」が110億円計上されるとされています。
これにより来期以降は「のれん」の償却が不要になると解説されています。つまり、大型買収で多額の「のれん」が発生し、これを償却したくないのでIFRS適用ということのようです。
会社も「ただし、のれんの減損リスクは残ります。」と書いていますが、仮に減損が必要になった時のインパクトは恐ろしいものがあります。日本基準上の償却年数は5年となっていますが、この期間をもう少し長く設定して償却するという方が健全な気もするのは私だけでしょうか。
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