繰越可能な食事券支給でも要件満たせば非課税
税務通信3381号の税務の動向に「食事券の支給でも要件満たせば原則給与課税なし」という記事が掲載されていました。
税務上の要件を満たしていれば給与課税がないというだけであれば、どうということもないですが、注目したのは”翌月に繰り越して使用した食事券も基本的には非課税”と記載されていたためです。
まず、所得税法において非課税とされるための要件を確認しておくと以下のようになっています(所得税基本通達36-38の2)。
- 従業員らが食事の半額以上を負担していること
- 従業員らに支給した食事について法人が負担した金額が月額3,500円以下であること
そして、上記の記事によると最近では「レストランなど日本全国数万店舗での使用が可能で、有効期間が最大2年間に及ぶ新たな“食事券”の人気が高まっているようだ」とされています。
有効期間が最大2年間に及び翌月以降にに繰り越せるような食事券を、従業員が食事券を繰り越して使用したような場合に上記2の法人の負担額が月額3,500円以内という要件を満たすのかが問題となりますが、上記の記事によると「翌月以降に繰り越して使用したとしても、実務上は、繰り越して使用していることのみをもって課税対象となるものではない」とされています。
これは、支給された従業員は食事券を支給された月に即時使用していることが前提であること、仮に繰り越して使用されたとしても会社の負担額は月額3,500円を以下であること、さらに従業員が食事券を繰り越して利用しているなどといった各人別の利用状況を把握することは困難であることなどを理由とするものです。
個人的には2、3カ月分ためておいしいものを食べにいってしまいそうですが、あくまで使い方は従業員に任せるということでよいようです。
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