消費税簡易課税のみなし仕入率-届出書の提出日により差が生じる可能性!
今回は消費税の簡易課税制度についてです。
平成26年税制改正では、消費税の簡易課税制度が見直されています。改正内点は以下の二つです。
- 従来第4種(みなし仕入率60%)として「その他事業」に含まれていた「金融業及び保険業」が第5種となりみなし仕入率が50%とされています。
- 従来第5種(みなし仕入率50%)であった「不動産業」が新設された第6種に区分され、みなし仕入率が40%とされています。
この改正は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間に適用されます。
しかしながら、この改正には重要な経過措置が設けられています。
経過措置
平成26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間であっても当該届出書に記載した「適用開始課税期間」の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間(簡易課税制度の適用を受けることをやめることができない期間)については、改正前のみなし仕入率が適用される。
平成26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間であっても当該届出書に記載した「適用開始課税期間」の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間(簡易課税制度の適用を受けることをやめることができない期間)については、改正前のみなし仕入率が適用される。
つまり、平成27年4月1日以後の事業年度から簡易課税を選択しようとする場合、平成26年9月30日までに届け出を提出したかどうかによって適用されるみなし仕入率が異なることになる可能性があるということになります。
簡易課税制度を選択しようとする場合には、選択しようとする課税期間の初日の前日までに届け出すればよいとされていますが、平成27年4月1日以後の事業年度から簡易課税の選択を考えている場合には、平成26年9月30日までに届出書を提出したほうが有利になる可能性があるので手続きでミスをしないように注意が必要です。
最後に改正前後のみなし仕入率の全体像は以下のようになっています。
(出典:「消費税法令の改正等のお知らせ」国税庁 平成26年4月)
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