アズ企画設計が審査請求棄却を不服として東京地裁に更正処分取消を提訴
本日(2020年10月7日)、東証ジャスダックに上場している株式会社アズ企画設計が”「関東信越国税庁からの更正通知書受領」に関する事後の諸対応の進捗に関するお知らせ”という適時開示が公表されました。
同社の件については、1年以上前に”マンション仕入控除でアズ企画設計に更正処分”で取り上げましたが、取得した居住用建物に係る消費税の仕入税額控除を否認する更正処分を受けたことに対するその後の状況が上記の資料で説明されていました。
同社は、更正処分に対して、国税不服審判所に対して処分等の取消を求めていましたが、2020年4月に審査請求を棄却する旨の判決を受け、これを不服とし2020年10月7日付で本件更正処分等の取消を求める訴訟を東京地裁に提起したとのことです。
新型コロナの影響や準備等があるにしても、4月に裁決を受けてから、本家更正処分等の取消を求める訴訟を提起するまでに結構時間が空いているように感じますが、おそらく同様の状況で係争中の他社の動向を見ていたのではないかと思います。
先日ADワークスが勝訴したことによって、裁判に訴えるという決断をしたのではないかと推測されます。なお、担当の弁護士は、ADワークス社を担当した森・濱田松本法律事務所の大石篤志弁護士を選任していますので、異なった結論となる可能性もないとはいえませんが、納税者勝訴となる可能性の方が高いと考えるのが自然だと思います。
同社はこの適時開示の中でも、改めて「当社としては従前の税務処理は適切であると考えており」と、自社の正当性を主張しています。
ただし、同社のIRサイトを確認したところ、2020年4月に審判所で不服申し立てが棄却された際に、その旨の適時開示等が行われていないようであるという点は気になります。確かに、すでに納付済みであり、会計処理には反映済みのため損益等に対する影響はないというものの、2019年4月16日付け「関東甲信越国税局からの更正通知書受領のお知らせ」で「通知に対して、速やかに不服申し立てを行う予定」とされていましたので、その決着がついた段階で今後裁判を検討する等、何らかの開示が行われるのが自然なような気はします。
仮にこれで敗訴したら、株主からは開示をめぐって文句が出そうな気がします。