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決算期変更で1年超の会計期間となった場合の対応

T&A master No.900で「決算変更で1年超の期が生じた際の対応」という記事が掲載されていました。少し前に”決算期変更と取締役の任期の関係”で決算期変更により変則決算が生じた場合の取締役の任期について書きましたが、上記の記事では取締役の任期以外の論点について列挙されていました。

親子会社間の決算期統一などにより決算期を変更した結果、変則決算期が1年を超える事業年度となるケースはたまに見かけますが、直近の事例として、エコモット株式会社(決算期を3月から8月に変更したことにより2019年4月1日から2020年8月31日の17カ月決算)、株式会社ユーグレナ(9月から12月に決算期変更したことにより2020年10月1日から2021年12月31日の15か月決算)が紹介されていました。

事業年度が1年を超える変則決算となった場合、取締役の任期以外の論点としては、役員報酬の限度額があります。上記の記事では「1事業年度当たりの役員報酬限度額を定めている場合、決算期変更を決議する株主総会で、改めて15か月の事業年度に対応した限度額を決議する必要がある」とされています。

この点について、決算期変更・期ズレ対応の実務Q&A(中央経済社、新日本有限責任監査法人編P61)では「決算期変更直後の変則事業年度が1年超の場合も、1年未満の場合と同様、株主総会で決議された1事業年度当たりの報酬等の額を期間に比例して増額すると考える余地もあります。しかし、役員の報酬等が株主総会決議事項とされている趣旨がお手盛り防止にあることを鑑みると、この方法が必ずしも株主の意思に沿うとは言い切れません。したがって、報酬等を増額するためには、株主総会において新たに報酬額改訂議案を付議しておくことが保守的と言えます」と述べられています。

しかしながら、直近の事例として挙げられていた2社についてはいずれも決算期変更(定款変更)時の株主総会で役員報酬の決議は行われていませんでした。これは両社とも役員報酬について、限度額を設定しており、変則決算期の報酬がこの枠を超えないためということのようです。ユーグレナ社については、変則決算期が完了してみないと検証できませんが、エコモット社については変則決算期の事業報告で役員報酬として記載されていた金額が、従来の報酬限度額の範囲内であったことが確認できました。

上場会社では年間の報酬限度枠が設定されていることが多く、かつ限度額が比較的余裕をもって設定されていることが多いので、実務上、報酬限度額についてあたらめて総会決議が必要となるケースはあまりないかもしれません。ただ、このような他社事例を参照して、本来必要な総会決議を失念するというようなことがないように注意は必要だと思われます。

次に、上場会社における四半期決算においては、例えば変則決算期が15か月決算の場合は、通常の1Q~3Qに加えて、4Qの四半期報告書の開示が必要となります。3か月延長されるケースであれば、有価証券報告書を作成しなければならない時期に四半期報告書を作成するだけですので、むしろ負担が軽く感じるかもしれません。しかし、エコモット社のように変則決算期が17ヶ月決算というケースでは、第5四半期報告書作成後、2か月後に有価証券報告書の作成が必要となります。

なお、CF計算書については、1Q、3QはCF計算書の開示を省略できるとされているので、4Qについて四半期報告書を作成する場合には、CF計算書の作成は省略できないとされています。では、5Qの四半期報告書を作成する場合はどうなるのかですが、エコモット社の例からするとCF計算書の開示は省略できないという解釈のようです。2四半期に1度という頻度と考えれば開示を求めなくてもよいのではないかと個人的には思いますが、財規上の取り扱いはあくまで1Q、3QはCF計算書の開示を省略できるとされているにすぎませんので、通常であれば作成されない4Q、5Qの四半期報告書ではCF計算書の開示は省略できないと解釈せざるを得ないということだと思われます。

最後に、税務の取り扱いについて、法人税法上は1年ごとに区分した期間で確定申告をしなければならないとされ(法法13①)、消費税の申告対象期間も1年を超えることができない(消法2十三)ため、税務申告は1年と残りの期間に分けて行う必要があるとのことです。

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